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当日配送とは?意味・仕組み・メリット・導入方法をわかりやすく解説【企業・EC向け】

目次[非表示]

  1. 1.当日配送とは?意味・仕組み・「当日出荷」との違いを解説
    1. 1.1.当日配送は「注文当日に届ける」サービス
    2. 1.2.「当日配送」「当日配達」「即日発送」「当日出荷」の違い
    3. 1.3.ユーザーが誤解しやすいポイント(「今日届くと思ったのに届かない」理由)
    4. 1.4.当日配送が成り立つ基本条件(在庫・距離・時間・配送手段)
  2. 2.当日配送の需要が急増している背景
    1. 2.1.大手ECのスピード配送標準化
    2. 2.2.日用品・食料品など“即時性が求められる”カテゴリの増加
    3. 2.3.BtoB(工場・建設・医療)の緊急調達ニーズ
    4. 2.4.都市部と地方で異なる当日配送の在り方
  3. 3.当日配送を実現する配送モデルと各社サービスの特徴
    1. 3.1.大手宅配会社の当日配送(ヤマト運輸・日本郵便など)の特徴
    2. 3.2.ECモール・小売(Amazon、ネットスーパーなど)の当日配送モデル
    3. 3.3.配送プラットフォーム(ピックゴーなど)を活用した当日配送の仕組み
    4. 3.4.店舗発・倉庫発で異なる物流フロー
    5. 3.5.サイズや配送距離で変わる「当日で届けられる条件」
  4. 4.企業・ECが当日配送を導入するメリット・デメリット
    1. 4.1.売上向上・LTV向上をもたらす「スピード」の価値
    2. 4.2.カゴ落ち防止や店舗来店の代替としての当日配送
    3. 4.3.コスト増・人員確保・在庫管理などの導入ハードル
    4. 4.4.当日配送対象を“限定する”ことで成功する企業の特徴
    5. 4.5.「全部当日配送」は不要?費用対効果を最大化する考え方
  5. 5.当日配送導入の手順と失敗しないためのチェックリスト
    1. 5.1.対象商品・エリア・カットオフタイムの設計
    2. 5.2.倉庫・店舗のオペレーション改善ポイント
    3. 5.3.配送手段の選定(自社便/宅配/軽貨物/配送プラットフォームなど)
    4. 5.4.追加料金・条件表示・FAQ整備など“ユーザー向け情報”の最適化
    5. 5.5.ピックゴーを活用した柔軟な当日配送モデル
  6. 6.当日配送で起こりやすいトラブルとその対策
    1. 6.1.「当日配送と思ったのに届かない」典型原因と予防策
    2. 6.2.不在・再配達リスクを最小化する方法
    3. 6.3.天候・交通事情による遅延への備え
    4. 6.4.情報連携・追跡管理の強化で防げるトラブル
    5. 6.5.緊急時の代替配送手段としてのピックゴー活用
  7. 7.まとめ:当日配送は「どこまでやるか」を設計する時代へ

 

当日配送とは?意味・仕組み・「当日出荷」との違いを解説

 

 

当日配送は「注文当日に届ける」サービス

当日配送とは、ユーザーが注文した「その日中」に商品を届ける配送サービスです。
午前中の注文をその日の夜に届ける、夕方の注文を深夜〜深夜帯に届けるなど、時間帯の設計は事業者によってさまざまですが、

  • 注文受付

  • ピッキング・梱包

  • 集荷・配達

までを1日のあいだに完結させる点が特徴です。

 

在庫の置き方や拠点の位置、配送手段が揃っていなければ実現できない、レベルの高いサービスと言えます。

 

「当日配送」「当日配達」「即日発送」「当日出荷」の違い

よく混同される用語を整理しておきます。

 
  • 当日配送/当日配達

    •  「注文した日に届く」こと。ユーザー目線の表現。

  • 即日発送/当日出荷

    • 「注文した日に倉庫から送り出す」こと。
      その日のうちに届くとは限らず、到着は翌日以降になる場合も多いです。

  

ECサイト側が「当日出荷」「即日発送」と書いていても、
ユーザーは“当日届く”と誤解しがちなので注意が必要です。

 

ユーザーが誤解しやすいポイント(「今日届くと思ったのに届かない」理由)

ユーザーの不満につながりやすいのは、次のようなケースです。

  
  • サイトには「即日発送」と書かれているが、到着日は明記していない

  • 注文確定時間(カットオフタイム)が分かりにくい

  • 当日配送が一部エリア限定なのに、その条件が目立たない

  • 予約商品や取り寄せ品にも「当日配送」が適用されるように見えてしまう

 

結果として、

「今日届くと思っていたのに、発送だけで終わった」

という不満レビューにつながります。
“いつ届くか”をはっきり書くことが、当日配送導入以上に重要です。

 

当日配送が成り立つ基本条件(在庫・距離・時間・配送手段)

当日配送を安定して提供するには、少なくとも以下の条件が必要です。

 
  • 在庫
    当日配送対象商品は、必ず拠点内に在庫を持つ(取り寄せ品は対象外にする)

  • 距離
    倉庫・店舗からユーザーまでの移動距離が“日帰り圏内”であること

  • 時間
    カットオフタイムまでに注文を受け、ピッキング〜梱包〜集荷を終えられるオペレーション

  • 配送手段
    宅配便の当日系サービス・自社便・軽貨物・配送プラットフォーム(ピックゴー等)など、
    距離や荷物量に見合った手段が用意されていること

 

これらをふまえて「どこまで当日配送をやるか」を設計していきます。

 

当日配送の需要が急増している背景

 

 

大手ECのスピード配送標準化

大手ECモールやプラットフォームが、

  • 当日配送

  • お急ぎ便

  • 指定時間帯配送

を当たり前のように提供し始めたことで、ユーザーは「早く届くのが普通」という感覚になっています。
小売・自社ECもこの期待値の中で戦う必要が出てきました。

 

日用品・食料品など“即時性が求められる”カテゴリの増加

  • 日用品・消耗品

  • 食料品・飲料

  • ベビー用品・医薬品

 

など、「切らすと困るもの」のネット購入比率が増えています。
これらのカテゴリは、在庫切れに気づいてからのリードタイムが短く、
当日〜翌日での配送が選ばれやすい分野です。

 

BtoB(工場・建設・医療)の緊急調達ニーズ

企業間取引でも当日配送のニーズは増えています。

 
  • 工場ラインを止めないための部品調達

  • 建設現場の資材・工具の不足分

  • 医療・介護現場の消耗品・機器

 

など、「今日中に届かないと業務が止まる」シーンでは、
多少コストが高くても当日配送が選ばれます。

 

都市部と地方で異なる当日配送の在り方

  • 都市部
    拠点密度が高く、宅配・バイク便・軽貨物・配送プラットフォームなど選択肢が豊富。
    当日配送を“差別化の武器”にしやすい環境です。

 
  • 地方
    拠点間距離が長くなりがちで、宅配便だけでの当日配送は難しいことも多い。
    地域の配送事業者や軽貨物、マッチングサービスとの連携が鍵になります。

 

自社のターゲットエリアによって、目指すべきサービスレベルも変わってきます。

 

当日配送を実現する配送モデルと各社サービスの特徴

大手宅配会社の当日配送(ヤマト運輸・日本郵便など)の特徴

大手宅配会社には、エリアや条件を限定した当日系サービスがあります。

 
一般的には、

  • 対応エリアが都市部中心

  • カットオフタイムが早め(午前中など)

  • サイズ・重量に上限あり

 

といった制約があり、「条件が揃えば使える」という位置づけです。
既存の宅配ネットワークを活かせる反面、柔軟性には限界があります。

 

ECモール・小売(Amazon、ネットスーパーなど)の当日配送モデル

ECモールやネットスーパーは

  • 都市部に専用倉庫・マイクロフルフィルメントセンターを配置

  • 自社便や提携デリバリーネットワークでラストワンマイルを構築

といった形で、自社主導のスピード配送モデルを作っています。

 

このレベルの投資は中小規模のECにはハードルが高いため、
外部の配送プラットフォームをうまく組み合わせるのが現実的です。

 

配送プラットフォーム(ピックゴーなど)を活用した当日配送の仕組み

ピックゴーのような配送プラットフォームを使うと、

  • Webやシステム連携で配送案件を登録

  • 条件に合う軽貨物ドライバーや運送会社とマッチング

  • 当日〜時間指定での集荷・配達を実現

という形で、自社便を持たずに当日配送の選択肢を増やすことができます。

 
  • キャンペーン時だけ当日配送枠を増やす

  • ECの繁忙期に限って利用する

など、「必要なときだけスケールさせる」運用もしやすいのが特徴です。

 

店舗発・倉庫発で異なる物流フロー

当日配送のオペレーションは、出荷拠点によって大きく変わります。

 
  • 店舗発

    • 店舗在庫からピック → 軽貨物・バイク便・プラットフォームで即日配送

    • 実店舗の在庫をECと共有する「オムニチャネル型」に向いている

 
  • 倉庫発

    • 倉庫の在庫を使って出荷

    • 事前に当日配送用の在庫を寄せておく必要がある

 

どちらをメインにするかで、在庫配置やスタッフ配置も変わってきます。

 

サイズや配送距離で変わる「当日で届けられる条件」

当日配送の実現可能性は、

  • 荷物サイズ・重量

  • 距離(拠点からの移動時間)

  • 希望する到着時間

の掛け合わせで決まります。

 

小型荷物なら宅配便でも対応できますが、
中〜大型荷物・BtoB用途では、軽貨物チャーターやプラットフォームのほうが現実的なことも多いです。

 

企業・ECが当日配送を導入するメリット・デメリット

売上向上・LTV向上をもたらす「スピード」の価値

当日配送を導入すると、

  • 「今日欲しいからここで買う」という意思決定を後押しできる

  • 急ぎ対応が評価され、リピートや口コミにつながる

など、売上・LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。

 
特に日用品・ギフト・緊急性の高い商品で、スピードは大きな差別化要因です。

 

カゴ落ち防止や店舗来店の代替としての当日配送

  • カート画面で「最短当日お届け」の表示があるだけで、購入完了率が上がる

  • 「今日中に欲しいから店舗に行く」というニーズを、当日配送で代替できる

など、離脱防止・オムニチャネル戦略の面でもメリットがあります。

 

コスト増・人員確保・在庫管理などの導入ハードル

一方で、当日配送には以下のような負荷がかかります。

 
  • 倉庫・店舗オペレーションの負荷増大

  • ピッキング・梱包のピークが早い時間に集中

  • 当日配送用に在庫を確保する必要がある

  • ラストワンマイルのコスト(運賃・チャーター費用など)の上昇

 

「とりあえず全部当日配送」にすると、利益を大きく圧迫しかねません。

 

当日配送対象を“限定する”ことで成功する企業の特徴

成功している事例の多くは、次のような設計をしています。

  • 売れ筋・高粗利・緊急性の高い商品に絞って当日配送対応

  • エリアも、まずは都市部・配送しやすい地域からスタート

  • カットオフタイムを明確にし、オペレーションに無理をさせない

つまり、「誰に」「どの商品を」「どのエリアで」当日配送するかを絞り込むことが重要です。

 

「全部当日配送」は不要?費用対効果を最大化する考え方

  • 当日配送で利益が増える商品・シーン

  • 通常配送でも満足される商品・シーン

を分けて考え、費用対効果の高いところだけ当日配送を強化していくのが現実的です。

 

配送プラットフォームを組み合わせれば、
常時は通常配送中心、ピークや特殊案件だけ当日配送を厚くするなど、柔軟な運用も可能です。

 

当日配送導入の手順と失敗しないためのチェックリスト

対象商品・エリア・カットオフタイムの設計

まずは、次の3点を明確にします。

  • どの商品を対象にするか

  • どのエリアまで当日配送を提供するか

  • 何時までの注文を当日配送対象にするか(カットオフタイム)

 

ここを曖昧にしたまま始めると、オペレーションが破綻しやすくなります。

 

倉庫・店舗のオペレーション改善ポイント

  • 当日配送分のピッキングを優先的に処理する仕組み

  • 当日配送対象商品の在庫を特定エリアに集約

  • 店舗でのオンライン受注分ピックの動線見直し

など、「当日配送レーン」を意識したオペレーション設計が必要です。

 

配送手段の選定(自社便/宅配/軽貨物/配送プラットフォームなど)

自社の出荷量や商品特性に応じて、組み合わせを検討します。

  • 自社便:エリアが限定されている場合に効率的

  • 宅配便:小型荷物・全国配送に強い

  • 軽貨物チャーター:BtoB・大型荷物・多拠点配送に向く

  • 配送プラットフォーム:不足分・繁忙期・スポット案件に柔軟対応

 

ピックゴーのようなプラットフォームを入れておくと、
「既存の枠では取りこぼす案件」を拾えるようになります。

 

追加料金・条件表示・FAQ整備など“ユーザー向け情報”の最適化

  • 当日配送の追加料金有無・金額

  • 対象エリア・対象商品・カットオフタイム

  • 天候・交通事情による遅延リスクの案内

を、商品ページやカート、FAQで明確に示しましょう。
「今日届くと思っていたのに…」を防ぐことが、クレーム削減につながります。

 

ピックゴーを活用した柔軟な当日配送モデル

  

  

ピックゴーを組み込むことで、例えば次のようなモデルが実現できます。

  • 平常時:宅配便メイン+一部エリアを自社便

  • 繁忙期・キャンペーン時:ピックゴーで当日配送枠を増やす

  • BtoBや大型案件:ピックゴーで軽貨物チャーターを手配

 

システム連携や管理画面からの発注で、
自社のキャパシティを超える部分だけを外部にスケールアウトできるのが強みです。

 

 

当日配送で起こりやすいトラブルとその対策

「当日配送と思ったのに届かない」典型原因と予防策

よくある原因は、

  • カットオフタイムを過ぎていた

  • 当日配送非対象エリア・商品だった

  • 取り寄せ品・予約品だった

など、条件の認識ズレです。

予防策としては、

  • カート画面で「◯時までの注文は当日お届け」と明示

  • 対象エリア・対象商品をバッジやアイコンで表示

  • 取り寄せ品には「当日配送対象外」と分かるラベルを付ける

といった、UI/表示面の工夫が有効です。

 

不在・再配達リスクを最小化する方法

  • 希望時間帯の細分化(午前/午後/夜間 など)

  • 事前の通知・当日の到着予告(メール・SMS・アプリ通知)

  • 置き配・ロッカー受取などの選択肢を増やす

などにより、当日配送の価値を損なう再配達を減らすことができます。

 

天候・交通事情による遅延への備え

当日配送は、悪天候や渋滞の影響を受けやすいサービスです。

  • 大雨・大雪・災害時には、事前にバナーやメールで遅延の可能性を案内

  • 遅延見込みがある場合、当日配送を一時的に選択不可にする

など、ユーザーとのコミュニケーション設計も合わせて準備しておきましょう。

 

情報連携・追跡管理の強化で防げるトラブル

  • 出荷から配達完了までのステータス連携

  • 遅延が発生した際の自動通知

  • 問い合わせ窓口の一本化

など、情報を“見える化”することで防げるトラブルも多くあります。

配送プラットフォームや自社システムと連携し、
社内・配送パートナー・ユーザーが同じ情報を共有できる仕組みを整えましょう。

 

緊急時の代替配送手段としてのピックゴー活用

 
 
  • 宅配便の当日枠が埋まってしまった

  • 自社便のドライバーが不足している

  • 急遽、BtoBで大型・多拠点配送が発生した

といった緊急ケースでは、ピックゴーで軽貨物チャーターを手配することで、
「どうしても今日中に届けたい」案件を落とさずに済みます。

 

平時からテスト利用しておき、
緊急時に迷わず使える状態にしておくと安心です。

 

 

まとめ:当日配送は「どこまでやるか」を設計する時代へ

当日配送は、

  • ユーザーの満足度・売上・LTVを押し上げる強力な武器である一方、

  • コストやオペレーション負荷も大きいサービス

です。

 

重要なのは、

  • どの商品を

  • どのエリアで

  • どのレベルのスピードで

 

当日配送するのかを、戦略的に設計すること。

宅配便・自社便に加えて、軽貨物チャーターやピックゴーのような配送プラットフォームを組み合わせれば、
「全部当日」ではなく、“必要なところにだけ当日配送を効かせる”柔軟なモデルを作ることができます。

 

自社のビジネス・顧客・エリアに合ったバランスを探しながら、
無理なく持続できる当日配送の仕組みづくりを進めていきましょう。

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