
デバンニングとは?作業時の注意点と起こりがちな問題の解決方法
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
物流業界では、商品を輸入する際に必ず行われている「デバンニング」。必要な作業ではあるものの、さまざまなリスクがあり、事故やケガにつながるケースも少なくありません。
今回は、デバンニングに関する基本的な知識を解説し、作業時の注意点や問題を解決するためのポイントもご紹介します。最後には、配送業務を効率化し、余裕をもってデバンニングを行えるようにする配送管理システムも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次[非表示]
- 1.デバンニングとは?
- 2.デバンニング作業時の注意点
- 2.1.労働環境が過酷になりやすい
- 2.2.作業時間がかかりやすい
- 2.3.荷物が破損する場合がある
- 3.デバンニングに起こりがちな問題を解決する方法
- 3.1.作業現場の環境を整える
- 3.2.ロボットを導入する
- 4.デバンニングの問題解決には早めの対応が必要
デバンニングとは?
デバンニングの意味
デバンニングとは、コンテナから輸入貨物を取り出す荷下ろし作業のことです。物流用語や貿易用語として、倉庫業者や通関業者、船会社の間では広く使用されている言葉です。
デバンニングは、複数の人員で作業を行うのが一般的で、荷物の移動にはフォークリフトなどを使用します。この際、スロープを利用するとフォークリフトで海上コンテナに直接乗り入れでき、効率的に作業を行えます。
デバンニングは、「デバン」と略されることも多く、トラックや船を活用して海外や遠方へ商品を輸送するための重要な手段です。輸入した荷物は、まず保税地域にある保税蔵置場でデバンニングされ、次に輸入通関を行ってから荷主のもとへ出荷されます。
バンニングとは?
バンニングとは、デバンニングの対義語で、コンテナに荷物を積み込む作業のことです。輸出する荷物は、海上コンテナに積み込む前に輸出通関を受け、その後にバンニングが行われます。
デバンニング作業時の注意点
労働環境が過酷になりやすい
デバンニング作業時は、労働環境が過酷になりやすい点に注意が必要です。特に、コンテナ内は高温になりやすく、夏場は気温が50度を超える場合もあります。熱中症などのリスクを抑えるためには、定期的に休憩をとり、気軽に水分補給できる環境を整えることが大切です。
また、コンテナには重量物を積載していることも多く、高所作業や荷物落下によって、ケガや事故の発生リスクもあります。1人でデバンニングを行わず複数人でチェックするなど、作業場所のリスク管理を徹底する必要があります。
作業時間がかかりやすい
デバンニングは、丁寧な作業が求められるため、作業時間がかかりやすい傾向にあります。特に、高さのある場所の製品を取り出す際は、荷崩れを起こさぬよう慎重な荷下ろしが必要です。荷物を取り出す作業の多くは手作業となるため、作業スピードの改善にも限界があります。
荷物が破損する場合がある
デバンニング作業時は、荷崩れを起こすと荷物が飛び出て破損する場合があります。コンテナ内に荷物が多く詰まっている場合に発生しやすい傾向にあります。商品へのダメージを避けるには、丁寧な作業が必要です。
デバンニングに起こりがちな問題を解決する方法
作業現場の環境を整える
デバンニングの諸問題を解決するには、作業現場の環境を整えることが大切です。安全靴やヘルメット、パワードスーツなど、作業員が安全を確保できるよう装備を整えたり、夏場はコンテナ内の気温を下げたり、などの施策を実施しましょう。
また、荷物が破損した場合でも、環境が整っていれば貨物保険を受けるための適切な行動を取りやすくなります。具体的には、一旦作業を中断し、写真を撮ったり貨物輸送事業者(フォワーダー)に素早く現状報告したりします。
ロボットを導入する
デバンニング作業にロボットを導入することで、人手不足の状況でも少人数で作業を進められます。また、作業員の作業量を減らすことにもつながり、事故やケガなどの防止に役立ちます。
デバンニングの問題解決には早めの対応が必要
デバンニングは、流通の現場にとって欠かせない業務です。しかし、高温なコンテナ内や高所での作業も多く、作業員は常に事故やケガのリスクと隣り合わせです。大きな事故やトラブルの発生を未然に防ぐためにも、できるだけ早くデバンニングの諸問題に対処する必要があります