
物流システムとは?仕組み・導入メリット・最新サービス事例を徹底解説
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
ネットショッピングの需要拡大やドライバーの人材不足などの問題を受けて、物流現場への負担は大きくなっています。受取人不在時の再配達といった、効率的ではない作業に悩みを抱えている管理担当者もいることでしょう。
こういった課題を抱える物流現場のソリューションとして重要視されているのが、「物流システムの導入」です。今回は、ITを活用することで物流業務の効率化や最適化を実現していく物流システムの特徴や、メリットを解説していきます。併せて、物流システムを活用した画期的なサービスについてもご紹介します。
物流システムとは?

物流システムとは、商品の入庫から保管・出荷・配送までの一連の物流工程を、ITの力で効率的かつ正確に管理する仕組みを指します。
一般的に、物流の「5大機能」と呼ばれる 輸送・保管・荷役・包装・流通加工 に加え、現代ではそれらを統合的に支える 「情報」 が第6の要素として重要視されています。
つまり、単に“モノを動かす”だけでなく、“データを動かす”ことが物流システムの本質です。
近年では、これらの工程を個別に最適化するだけでなく、サプライチェーン全体をデジタルでつなぎ、リアルタイムで情報共有する仕組みへと進化しています。
たとえば、倉庫での在庫数が自動的に更新され、配送状況が瞬時に可視化されるといった「統合的な見える化」が実現できるようになりました。
なぜ今、物流システムが注目されているのか?
その背景には、EC市場の急成長と深刻な人手不足、そして2024年問題(ドライバーの時間外労働上限規制)など、物流現場を取り巻く環境変化があります。
これまで人手と経験で成り立っていた現場では、「再配達の増加」「車両の空走」「配車計画の属人化」といった課題が顕在化しています。
こうした課題を解決するために、多くの企業がシステム導入による業務のデジタル化・効率化に踏み出しています。
物流システムを導入することで、業務の流れを可視化し、現場の判断をデータに基づく意思決定へ変えることが可能になります。
属人的なノウハウに頼る運用から、誰でも精度高く運用できる体制へと進化できるのです。
物流システムのメリット
物流システムの導入には、大きく分けて2つのメリットがあります。それぞれのメリットについて、具体的に解説していきましょう。
リアルタイムで状況把握ができる
物流システムを利用すると、商品の発送状況や在庫状況を一元管理できるようになります。作業の進捗状況が「見える化」されることで、万が一問題があった場合でも、改善点が発見しやすくなります。また、リアルタイムで状況の把握ができるので、サービス品質の向上にもつながります。たとえば、配送する商品の現在地がわかるため、到着予想時間の伝達などのスピーディーな顧客対応が可能になります。
コストが削減できる
物流システムの導入によって、業務のスピードアップと効率化が図れることから、生産性が向上します。これにより、諸作業にかけていたコストが削減できます。
また、経験の浅い人材を即戦力化しやすいため、人材育成にかかるコストも削減可能です。物流システムを導入して、個人の経験や裁量に委ねていた属人化しがちな作業をシステム化すれば、未経験者でも円滑に業務に入れるようになるからです。
物流システムの主な種類

物流システムには、作業内容や目的に合わせて複数の種類が存在します。主にどのようなシステムがあるのかをご紹介します。
倉庫・在庫管理システム(WMS)
商品の入庫や出庫の管理と、在庫管理を行うシステムです。このシステムを利用すれば、入荷から検品、ピッキング、梱包、出荷までの一連の作業工程を管理して効率化できます。また、リアルタイムで複数の倉庫の管理をすることも可能です。
ピッキングシステム
出庫や流通加工の際に、商品を集める作業を効率的に行うシステムです。商品をバーコードやRFIDで管理することで、商品の場所をリアルタイムで把握できるようになります。
ちなみにRFIDとは、商品のICタグを電波を使って読み取るシステムです。バーコードの場合、検品の際にバーコードリーダーで1枚1枚スキャンする作業が必要ですが、RFIDを利用すれば、電波が届く範囲なら複数の商品をまとめて読み取ることが可能です。
配送管理システム(TMS)
出荷から配送完了までの工程を監視するシステムです。このシステムを導入すれば、リアルタイムで配送状況を把握することができます。
場合によっては、車両を動態管理する運行管理システムが含まれていることがあります。運行管理システムがあれば、配車管理や運転手のシフト管理を行うことも可能です。
従来の配車管理、動態管理は、配車プランナーと呼ばれる専門スタッフに委ねられることが一般的でした。物流コストとサービス品質のバランス、CO2排出量といった重要な事項も、配車プランナーの采配に左右されるというデメリットがありましたが、配送管理システムを用いれば作業を属人化することなく、ノウハウを継承することができます。
EDI
帳票類を電子化して企業間の商取引をスムーズに行うシステムです。EDIとは、「Electronic Data Interchange(電子データ取引)」の略称です。これまで手作業で行っていた、発注書や請求書、伝票などの作成や郵送といった作業がなくなり、受発注から出荷、納品、請求、支払いまで自動化することができます。
物流業界で注目される“配送プラットフォーム”とは?

物流システムは、運送会社内の物流業務だけではなく、物流の関連サービスにも活用されています。その1つが「配送プラットフォーム」です。荷主とドライバー、双方にとってメリットがある配送プラットフォーム。そのサービスの概要について解説します。
配送プラットフォームとは?
物流システムの進化とともに注目を集めているのが、「配送プラットフォーム」と呼ばれる新しい仕組みです。
これは、荷主(荷物を送りたい企業)とドライバーをデジタル上でリアルタイムにつなぐサービスです。従来の“配車管理・電話手配型の配送”を根本から変える動きとして、業界全体で導入が進んでいます。
配送プラットフォームの中でも特におすすめなのが「ピックゴー」です。
2025年時点で、配送パートナーは軽貨物で60,000台以上・一般貨物(2トン~10トン車)で3,000社以上の登録数を誇ります。
ピックゴーの特徴
ピックゴーは、24時間いつでも配送を依頼することができます。梱包や伝票作成の作業も不要で、依頼から集荷まで約30分ほどで完了することが多くあります。これは、配送パートナー登録数が多く、業界最速クラスでマッチングが可能だからです。
また、ピックゴーには良質な配送パートナーが揃っています。この背景には、独自の評価制度の導入があります。配送パートナーごとの配送品質が可視化されており、依頼者は配送パートナーの評価や顔写真を確認した上で、案件に適した配送パートナーを選択することが可能です。
さらに、ピックゴーでは、専用コールセンターが24時間対応しています。そのため、緊急時や万が一のトラブルのときでも安心です。
個人事業主やフリーランスとして運送業を営む方も、ピックゴーを利用すれば手軽に作業効率化できるでしょう。
業界が抱える「空車・再配達・非効率」の課題をどう解決するか
配送プラットフォームが注目される理由は、物流業界が長年抱えてきた3つの構造的課題を同時に解決できる点にあります。
1. 空車走行の削減
配送完了後の帰り道(帰り便)で荷物をマッチングすることで、稼働率を最大化。
走行距離・燃料費の無駄を削減し、CO₂排出削減にも貢献。
2. 再配達の削減
リアルタイム追跡・到着通知により、受取人の不在を減らす。
顧客満足度とドライバーの生産性を同時に向上。
3. 属人化・非効率の解消
配車担当者の経験や勘に頼らず、システムが最適なドライバーを自動選定。
新人でも即戦力として案件管理が可能に。
このように、配送プラットフォームは、「人の手で埋めていた非効率」をテクノロジーで解消する“新しい物流インフラ”として注目を集めています。
⇒ピックゴー(法人のお客様向け緊急配送・即日配送)
⇒ピックゴー エクスプレス(アプリ版:個人のお客様向け緊急配送・即日配送)
⇒ピックゴー エンタープライズ(法人のお客様向け定期配送・物流ソリューション)
物流システムを効果的に生かすために

物流システムは、単なる業務支援ツールではなく、物流全体を戦略的に最適化するための基盤です。
在庫・輸送・配車・顧客対応など、あらゆる工程をデータでつなぎ、リアルタイムに把握・改善できる仕組みをつくることで、現場の生産性向上だけでなく、経営判断のスピードアップにもつながります。
しかし、すべての機能を一度に導入しようとすると、コスト負担や現場の混乱が生じるケースも少なくありません。
重要なのは、自社の課題に合わせて段階的に導入していくことです。
段階的な導入で成果を最大化する
まずは「どこにボトルネックがあるのか」を明確にすることが第一歩です。
- 配車や進捗管理が属人化している企業は → 配送管理システム(TMS)
- 在庫差異や入出荷ミスが多い企業は → 倉庫管理システム(WMS)
- 発注・請求処理の効率化を図りたい企業は → EDIシステム
といったように、課題の優先度に応じてシステムを選択するのが効果的です。
「システム導入」から「物流DX」への進化へ
物流システムの本質的な価値は、単なる効率化にとどまりません。
データを活用して需要予測や最適ルート設計、空車削減などの経営改善につなげる“物流DX”こそ、次のステージです。
その第一歩として、既存のシステムと連携できる配送プラットフォームを導入する企業が増えています。
特に「ピックゴー」のような配送プラットフォームは、システム導入のハードルを抑えつつ、リアルタイム可視化・柔軟な配送体制・全国ネットワークによる即応性を実現できます。
これは、従来の物流システムを補完しながら、“現場で成果が見えるDX”を実現する実践的なアプローチです。
まとめ
物流システムを効果的に生かすには、課題の可視化 → 段階的な導入 → システム連携によるDX化というステップを意識することが重要です。いきなりすべてを変えようとするのではなく、まずは自社に最もインパクトがある領域から始めましょう。
そして、初めて物流DXに取り組む企業にとっては、「ピックゴー」のようなクラウド型配送プラットフォームを活用することが、“物流システムの最初の一歩”として最も現実的で効果的な選択肢となるはずです。

