
定期配送とは?仕組み・メリットから自社物流への活かし方まで徹底解説
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
日々の出荷量が読めない、ドライバー確保が難しい、繁忙期だけ宅配網がパンクする…。
そんな「なんとか回してはいるけれど、いつもギリギリ」というお悩みを抱えていませんか?
安定した物流体制をつくるうえで、カギになるのが「定期配送」です。
聞いたことはあるけれど、路線便やスポット便と何が違うのか、自社の荷物に向いているのか、イメージしづらいという声も少なくありません。
この記事では、定期配送の基本的な意味から、メリット・デメリット、よくあるトラブル、導入ステップまでをわかりやすく整理します。
あわせて、柔軟な運用を実現できる「ピックゴーの定期配送」の特徴もご紹介しますので、今の配送体制に少しでも不安がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次[非表示]
- 1.定期配送とは?意味・定期便との違いをわかりやすく整理
- 1.1.定期配送の基本的な意味と読み方
- 1.2.通販の「定期購入」と物流現場の「定期便」の違い
- 1.3.サブスクリプションとの違い|モノの購入か、利用権か
- 1.4.BtoCとBtoBで異なる定期配送の位置づけ
- 2.定期配送が選ばれる理由|荷主・受取側・配送会社それぞれのメリット
- 2.1.荷主企業のメリット|在庫・コスト・業務効率が安定する仕組み
- 2.2.受取側のメリット|買い忘れ防止と「ストック切れ不安」の解消
- 2.3.配送会社・ドライバーのメリット|ルート固定でムダの少ない運行が可能に
- 2.4.定期配送を導入しやすい商品・サービスの具体例
- 3.定期配送サービスの主な種類と仕組み
- 3.1.EC・通販の「定期購入」「お届け便」による定期配送のパターン
- 3.2.企業間物流における定期便・ルート配送のパターン
- 3.3.共同配送・混載便でコストを抑えるスキーム
- 3.4.頻度・時間帯・エリア設定の考え方と運用のコツ
- 4.定期配送のデメリット・よくあるトラブルとその対策
- 4.1.繁閑差・キャンセルで車両が余る/足りない問題
- 4.2.不在・再配達によるコスト増と顧客満足度の低下
- 4.3.長期契約や条件の硬直化で物流が身動きできなくなるリスク
- 4.4.解約・スキップ・変更ルールを設計する際のチェックポイント
- 5.ピックゴーの定期配送|定期・ルート配送の課題をまとめて解決
- 5.1.いつもの決まった配送を固定ドライバーで運行できる仕組み
- 5.2.全国最大級のドライバーネットワークで「すぐに定期運行を開始」
- 5.3.人件費を変動費化し、既存の運送会社よりコスト削減を狙えるポイント
- 5.4.定期便×スポット便の組み合わせで繁閑差や欠員リスクにも柔軟対応
- 5.5.導入事例と、無料見積もり・相談までの流れ
- 6.まとめ:定期配送を軸に、配送プラットフォームを組み合わせて強い物流をつくる
定期配送とは?意味・定期便との違いをわかりやすく整理

「定期配送」という言葉はよく聞くのに、なんとなくイメージだけで使ってしまうことも多いかもしれませんね。
一言でまとめると、あらかじめ決めたスケジュールに沿って「同じ場所へ、くり返し荷物を届ける配送スタイル」を指します。
ネット通販の拡大やサブスクリプションサービスの普及により、「定期的に届く」形の商品やサービスは年々増えている状況です。
その一方で、「定期配送」と「定期便」「定期購入」「サブスク」がごちゃっと混ざってしまい、社内で話が噛み合わないケースも少なくありません。
まずは、言葉の意味をそろえるところから始めると、社内の会話や外部パートナーとの打ち合わせもぐっとスムーズになりますよ。
定期配送の基本的な意味と読み方
「定期配送」は一般的に「ていきはいそう」と読みますが、現場では「定期便(ていきびん)」という言い方もよく使われています。
どちらも、あらかじめ決めた「曜日・時間・ルート」に沿って、継続的に荷物を運ぶスタイルを表す言葉だと考えるとイメージしやすいでしょうか。
たとえば次のようなパターンが典型例です。
毎週月・水・金の午前中に、センターから各店舗へ商品を届ける
毎朝、工場から倉庫へ製品をまとめて運ぶ
毎日決まった時間に、オフィスへ備品や弁当を納品する
ポイントは、「一度きりのスポット配送」ではなく、あらかじめ決めたリズムで繰り返し運ぶ前提になっているところです。
こうした基本イメージを押さえておくと、のちほど出てくる「定期購入」や「サブスク」との違いも理解しやすくなりますよ。
それでは次に、通販サイトなどでよく見かける「定期購入」と、物流現場で使われる「定期便」の違いを見ていきましょう。
通販の「定期購入」と物流現場の「定期便」の違い
通販サイトで表示される「定期購入」は、主役がお客様(消費者)です。
お客様が「毎月この商品を届けてほしい」と申し込み、ショップ側がその注文に合わせて発送をくり返すしくみを指します。
一方で、物流現場で使う「定期便」は、主役が荷主企業や拠点同士の移動です。
工場から倉庫へ、センターから店舗へなど、「事業者側の都合」に合わせて決まったルートを走るトラックをイメージすると分かりやすいでしょう。
違いをざっくり整理すると、次のようなイメージになります。
定期購入:
「誰が申し込む?」…エンドユーザー(消費者)が申し込み
「何がくり返される?」…商品の注文と決済
定期便:
「誰が契約する?」…企業・店舗・拠点同士が契約
「何がくり返される?」…トラックの運行そのもの
どちらも「定期的に届く」という点は同じですが、視点が変わると役割も変わってきます。
この区別を意識しておくと、自社で話すときに用語の混乱が起きにくくなりますよ。
続いて、「定期購入」とセットで語られやすい「サブスクリプション」との違いも整理してみましょう。
サブスクリプションとの違い|モノの購入か、利用権か
サブスクリプション(サブスク)は、「毎月決まった料金を支払い、サービスを使い続けるモデル」を指す言葉です。
動画配信サービスや音楽配信、ソフトウェアの月額利用など、身近な例がたくさん思い浮かぶのではないでしょうか。
日本でもサブスク市場は拡大しており、消費者向けサービス全体で見ても、数千億円規模に成長していると報告されています。
定期購入・定期配送とサブスクはよく似ていますが、ざっくりとした違いはここです。
定期購入・定期配送:
商品そのものを「持つ」前提
コーヒー豆や水、日用品、健康食品などが代表例
サブスク:
モノやサービスの「利用権」を得る前提
動画配信、ソフトウェア、カーシェアなどが代表例
もちろん、実際のサービスでは「定期購入」と「サブスク」の性質が混ざったような形も増えています。
だからこそ、「モノを買っているのか」「利用する権利にお金を払っているのか」を意識して整理しておくと、ビジネスモデルを検討するときに迷いにくくなりますよ。
ここまでが主に個人向けサービスの話でしたので、次は企業同士の取引であるBtoBにおける定期配送の位置づけを見ていきましょう。
BtoCとBtoBで異なる定期配送の位置づけ
BtoC(企業から個人への販売)の世界では、定期配送は「生活を便利にする仕組み」というイメージが強くなりがちです。
水や日用品、食品、コスメなどが自動的に届き、「買いに行く手間が省ける」「切らして困るリスクが減る」といった日常の困りごとを減らす役割を担います。
一方で、BtoB(企業同士の取引)になると、定期配送は「事業を止めないためのインフラ」に近い存在です。
工場の原材料が届かないと生産ラインが止まり、店舗への納品が遅れると売り場がスカスカになってしまうため、安定したリズムでの配送が欠かせません。
イメージを整理すると、次のような違いがあります。
BtoCの定期配送:
目的…生活の利便性アップや「うっかり」を防ぐこと
主な荷物…日用品・食品・生活関連商品
BtoBの定期配送:
目的…生産や販売を止めないための安定供給
主な荷物…原材料・部品・業務用商材・在庫商品
同じ「定期配送」という言葉でも、誰に向けたものかによって役割が大きく変わってきます。
自社がどの立場でどんな荷物を動かしているのかを整理すると、次に考えるべきポイントも自然と見えてきますよ。
次章では、この定期配送がなぜ多くの企業に選ばれているのか、その理由や背景をさらに掘り下げていきましょう。
定期配送が選ばれる理由|荷主・受取側・配送会社それぞれのメリット

ここまでで、「定期配送」という言葉の意味や位置づけはイメージできてきたのではないでしょうか。
次に、「なぜこんなにも多くの企業が定期配送を選んでいるのか」を整理してみます。
ポイントは、荷主企業・受け取る側・配送会社やドライバー、それぞれにきちんとメリットがあることです。
どこか一方にだけ負担が偏る仕組みは、長く続きませんからね。
日本ではEC市場や小売・EC向け物流の規模が年々拡大しており、2023年度の小売・EC物流市場は前年度比6%増の約8兆7,100億円と推計されています。
荷物の量が増え続けるなか、安定して運ぶための「土台」として定期配送を取り入れる企業も増加傾向にあります。
まずは全体像として、関係者ごとのメリットをざっくり整理してみましょう。
立場 | 主なメリットの例 |
|---|---|
荷主企業 | 在庫と配送コストが安定し、業務も計画しやすくなる |
受取側(店舗・顧客) | 欲しいタイミングで継続的に届き、「切らす不安」が減る |
配送会社・ドライバー | ルートや台数を組みやすくなり、ムダな走行が減っていく傾向 |
それぞれの立場から見ると魅力のポイントが少しずつ違います。
ここからは、まず荷主企業にとってのメリットから順番にチェックしていきましょう。
荷主企業のメリット|在庫・コスト・業務効率が安定する仕組み
荷主企業にとって、定期配送の一番分かりやすいメリットは「読める」ということかもしれません。
いつ・どれくらいの量を運ぶかをあらかじめ決めておくことで、在庫・人員・コストの見通しが立ちやすくなります。
たとえば、こんなメリットが期待できます。
在庫が安定しやすい
大量に抱え込んで倉庫がパンパンになったり、逆に欠品したりといった極端な状態を避けやすくなります。事務作業がシンプルになる
毎回スポットで見積もりを取り、集荷を依頼し…という手間が減り、担当者の負担が軽くなります。物流コストをコントロールしやすい
トラックの台数や運行本数を計画的に決めやすく、長期的なコスト管理につなげやすくなります。
日本のBtoC-EC市場は2023年に約24.8兆円規模となり、前年比9%以上の伸びを記録したとされています。
それだけ多くの商品が「小口で、頻繁に」動いている状況といえるでしょう。
だからこそ、「なんとなくその日その日で手配する」スタイルでは、いずれ限界が来てしまいます。
定期配送をベースにしながら、スポット便なども組み合わせることで、コストと安定性のバランスを取りやすくなりますよ。
次は、こうした定期配送が受け取る側にどんなメリットをもたらしているのかを見ていきましょう。
受取側のメリット|買い忘れ防止と「ストック切れ不安」の解消
受取側から見ると、定期配送は「とにかく安心」という一言に尽きるかもしれません。
必要なタイミングで、必要な量が自動的に届くため、「あ、在庫が切れていた」と気づいてから慌てて手配する場面がぐっと減ります。
たとえば、こんなシーンをイメージしてみてください。
飲食店で、人気メニューの食材が急に切れてしまい、販売を止めざるを得なくなった
クリニックで、消耗品の在庫を切らしてしまい、診療の進行に支障が出てしまった
EC倉庫で梱包資材が不足し、出荷作業が一時停止してしまった
どれも、売上やお客様の信頼に直結するトラブルですよね。
あらかじめ定期配送で「毎週この時間に届ける」「この数量をキープする」と決めておけば、こうしたリスクを大きく減らせます。
消費者向けのサブスク市場も2023年に約9,430億円規模とされており、「定期的に届く」仕組みそのものが生活の一部になりつつあります。
企業の現場でも同じように、「常に一定量を確保しておきたいもの」を定期配送に乗せる動きが広がりつつある状況です。
受け取る側が安心できると、自然とクレームや問い合わせも減り、現場の雰囲気も落ち着いてきます。
続いては、この定期配送が配送会社やドライバーにとってどんなメリットにつながるのかを確認してみましょう。
配送会社・ドライバーのメリット|ルート固定でムダの少ない運行が可能に
定期配送は、配送会社やドライバーにとっても大きな味方になってくれます。
なぜなら、「どこを、いつ、どれくらいの量を走るか」が事前に分かるからです。
この「見通しがある状態」は、運行のムダを減らす大きな武器になります。
配車計画が立てやすくなる
定期便を軸にスケジュールを組めるため、空車で走る時間や車両の遊び時間を減らしやすくなります。同じルートだから作業がスムーズになる
何度も同じ現場を訪れることで、積み込み・荷下ろしの流れや道順が身体に染み込み、結果として作業時間も短縮しやすくなります。ドライバーの働き方も整えやすい
出発時間や帰庫時間をある程度固定できるため、勤務時間の管理や休憩の取り方も計画しやすくなります。
国全体で見ると、宅配便の取扱個数は数年間で20%以上増えたとのデータもあり、現場の負担は確実に重くなっています。
そうした中で、毎回バラバラな配送依頼に振り回されるよりも、定期的なルートを軸に運行できたほうが、ドライバーにとっても精神的な負担が軽くなります。
ドライバーの定着率が上がれば、結果的に荷主企業や受取側にとっても大きなプラスになります。
最後に、どのような商品やサービスが定期配送と相性が良いのか、具体例をチェックしていきましょう。
定期配送を導入しやすい商品・サービスの具体例
「うちの商材は定期配送に向いているのだろうか」と気になっている方も多いかもしれません。
実は、定期配送と相性が良い商品・サービスには、いくつか共通する特徴があります。
代表例を整理すると、こんな感じです。
使用量がおおよそ予測できるもの
・ミネラルウォーター、飲料、コピー用紙、トイレットペーパー、清掃用品 など切らすと業務に直接ダメージが出るもの
・工場の原材料、医療・介護の消耗品、店舗の主力商品や定番メニューの食材 など保管スペースに限りがあり、一度に大量に置きにくいもの
・冷蔵・冷凍品、大型商品、重量物 など複数店舗・拠点に同じものを届けたいケース
・チェーン店の販促物、ユニフォーム、什器・備品、POPやカタログ など
これらに共通しているのは、「使う量のリズムが読みやすく、切らしたくないもの」という点です。
毎週○曜日、月・水・金、月末だけ…といったリズムで配送を組めば、現場の担当者がそのたびに発注を考えなくても、自然と必要なものが届く流れを作れます。
自社の商品や拠点を思い浮かべてみると、「ここは定期配送に乗せたほうがよさそうだな」というポイントがいくつも見えてくるはずです。
次章では、そうしたニーズに応える定期配送サービスにはどんな種類があり、どのような仕組みで動いているのかを、さらに具体的に整理していきましょう。
定期配送サービスの主な種類と仕組み

前章では、「誰にとってどんなメリットがあるのか」を立場ごとに整理してきました。
ここからは、そのメリットを実現するために、具体的にどんな定期配送サービスが使われているのかを見ていきましょう。
一口に「定期配送」といっても、
EC・通販の定期購入型
企業間物流の定期便・ルート配送
共同配送・混載便を活用したスタイル
など、いくつか代表的なパターンがあります。
自社のビジネスに近い形をイメージできると、「どのサービスを組み合わせると回しやすいか」がぐっと見えやすくなりますよ。
まずは、もっとも身近なEC・通販の定期配送から整理していきましょう。
EC・通販の「定期購入」「お届け便」による定期配送のパターン
EC・通販の世界では、「定期購入」「お届け便」といったサービス名で定期配送が提供されることが多いです。
これは、エンドユーザーが「毎月この商品を届けてほしい」と申し込むことで、ショップ側が自動的に出荷を繰り返す仕組みになります。
代表的な特徴をまとめると、次のようなイメージです。
お客様が一度申し込めば、以降は自動的に発送される
配送頻度(毎月・隔月・○週間ごと など)を選べるケースが多い
まとめ買いよりも割引があり、継続利用を後押しする設計が多い
日用品や飲料、サプリメント・コスメなど、「使う量がある程度決まっている商品」と相性が良い仕組みですね。
経済産業省の調査でも、BtoC-EC全体の市場規模は2023年に24.8兆円まで拡大しており、こうした定期型サービスも拡大を支える要素になっています。
自社で通販を運営している場合、この「定期購入」を活用すると売上や在庫が読みやすくなります。
次は、企業同士の取引である「企業間物流」における定期便・ルート配送を見ていきましょう。
企業間物流における定期便・ルート配送のパターン
企業間物流(BtoB)でよく使われるのが、「定期便」や「ルート配送」と呼ばれるスタイルです。
こちらは、工場・倉庫・店舗・オフィスなどの拠点を、決まった順番・決まった時間帯で回る運行パターンを指します。
たとえば、こんなイメージです。
毎朝8時に工場で積み込み → そのまま倉庫へ直送
毎週月・水・金に、物流センターから複数店舗を順番に巡回
平日の夕方だけ、オフィス街のビルをルートで回って納品
このように「ルートを固定する」ことで、
車両の台数を最適化しやすくなる
拠点側も「大体この時間に届く」と分かり、受け入れ準備をしやすくなる
ドライバーも道順や荷降ろし場所に慣れ、作業効率が上がっていく
…といった良い流れが生まれます。
工場や店舗の稼働リズムに合わせて配送を組めると、結果的に在庫も業務も安定しやすくなりますよ。
続いて、コストを抑えたいときに有効な「共同配送・混載便」の考え方も押さえておきましょう。
共同配送・混載便でコストを抑えるスキーム
「定期配送にしたいけれど、自社の荷物だけだとトラックがガラガラになりそう…」
そんなときに検討しやすいのが、共同配送や混載便を利用するパターンです。
イメージとしては、
同じエリアに向かう複数の荷主の荷物を「一台のトラックでまとめて運ぶ」
一社では埋まらないトラックの空きスペースを、他社とシェアする
といったスタイルですね。
共同配送・混載便のポイントは、次の通りです。
トラック1台あたりの積載効率を上げることで、輸送コストを抑えやすい
CO₂排出量の削減にもつながり、環境面の取り組みとして評価されやすい
小さな荷物でも、定期的にエリア全体をカバーしやすくなる
もちろん、積み合わせる商品によっては温度管理や取り扱いに注意が必要です。
それでも、うまく組み合わせれば「コストは抑えつつ、安定した定期配送を維持したい」というニーズに応えやすくなります。
最後に、これらのサービスを実際に運用していくうえで重要になる「頻度・時間帯・エリア設定」の考え方を見ていきましょう。
頻度・時間帯・エリア設定の考え方と運用のコツ
定期配送をうまく活かすうえで、意外と大きな差が出るのが「どの頻度で、どの時間帯に、どのエリアを回るか」という設計です。
ここをなんとなく決めてしまうと、「結局、現場が回らない」という悩みにつながりがちです。
検討するときの基本軸は、次の3つになります。
頻度(どれくらいの間隔で運ぶか)
週1回なのか、週3回なのか、毎日なのか
荷物の回転スピードと在庫スペースのバランスを見ながら決めていく
時間帯(いつ届けると現場が動きやすいか)
開店前に納品したいのか、閉店後が都合いいのか
工場なら「ライン稼働前後」で区切るのか など
エリア(どのルートでまとめて回るか)
近い店舗同士を1本のルートにまとめる
渋滞しやすい時間帯や道を避けるように設計する
最初から完璧な答えを出そうとしなくて大丈夫です。
まずは「仮のスケジュール」でスタートし、現場の声を聞きながら少しずつ調整していくほうが、結果的に定着しやすくなります。
こうして仕組みと運用のイメージがつかめてくると、「定期配送のいい面だけではなく、注意すべき点も知っておきたい」と感じてくるはずです。
次の章では、定期配送のデメリットやよくあるトラブル、その対策についても具体的に触れていきますね。
定期配送のデメリット・よくあるトラブルとその対策

ここまで、定期配送の「良いところ」を中心に見てきました。
一方で、どんなに便利な仕組みでも、使い方を間違えると逆効果になってしまいます。
定期配送も例外ではなく、
繁忙期と閑散期の差が大きい
急なキャンセルや数量変更が多い
受取側の体制が整っていない
といった状況が重なると、「せっかく定期にしたのにコストが増えた」「現場がかえってバタつく」という声が出やすくなります。
ここでは、よくあるトラブルと、その予防策・対策の考え方を整理します。
事前に「ありがちな落とし穴」を知っておくことで、自社に合った賢い定期配送の組み立て方が見えてきますよ。
まずは、多くの企業が直面しやすい「繁閑差・キャンセル」の問題から見ていきましょう。
繁閑差・キャンセルで車両が余る/足りない問題
定期配送でよくある悩みのひとつが、「忙しい時期とそうでない時期のギャップ」です。
年間を通して荷量が安定していれば理想ですが、実際には
セールやキャンペーンで急に出荷が増える
繁忙期と閑散期で、出荷量が倍以上違う
取引先の都合で、直前にキャンセルや数量変更が入る
といったことも少なくありませんよね。
このとき定期便を固定しすぎると、
閑散期:トラックがスカスカで走り、コストばかりかかる
繁忙期:逆に車両が足りず、スポットで高い料金を払う羽目になる
というアンバランスが起きてしまいます。
対策の考え方としては、次のようなポイントが挙げられます。
年間・月間の出荷データを振り返り、「最低ライン」と「ピーク」をざっくり把握しておく
定期便は「最低限必要なライン」に合わせ、増えた分はスポット便で補う設計にする
キャンセルや変更が多い荷物は、あえて定期便に乗せず柔軟な枠に残しておく
「全部を定期に乗せる」のではなく、「安定している部分だけを定期」「波の大きい部分は別枠」と考えるイメージですね。
次は、現場でじわじわ効いてくる「不在・再配達」の問題についても整理していきましょう。
不在・再配達によるコスト増と顧客満足度の低下
定期配送は、決めた時間に荷物を届ける前提の仕組みですが、受取側の準備が整っていないと別のトラブルを生むことがあります。
代表的なのが「不在による再配達」です。
宅配の世界では、再配達がドライバーの負担やコスト増につながることが大きな課題になっています。
事業者向けの定期配送でも、
受け入れ担当が不在で荷物を受け取れない
搬入口が空いておらず、しばらく待たされる
置き場所や受け渡しルールが曖昧で、毎回確認が必要になる
といったことが積み重なると、ドライバーの稼働時間もコストもじわじわ膨らんでいきます。
こうしたトラブルを減らすには、配送側と受取側の「事前すり合わせ」がカギになります。
納品時間帯を、現場の受け入れ体制に合わせて決め直す
受け取り担当や連絡先を明確にし、急な変更にも対応しやすくする
置き配や鍵付きボックスなど、「立ち会い不要」の仕組みも検討する
ちょっとしたルール決めをしておくだけでも、現場のストレスは大きく変わります。
続いて、契約条件の決め方次第で起きやすい「身動きがとれなくなる」リスクについても触れておきましょう。
長期契約や条件の硬直化で物流が身動きできなくなるリスク
定期配送を導入するとき、「安定した料金で長くお願いしたい」という思いから、つい長期契約を結びたくなるかもしれません。
もちろん、長期契約そのものが悪いわけではありませんが、条件を固めすぎると、後から変えたいときに身動きがとれなくなるケースがあります。
たとえば、こんなパターンです。
事業の成長に合わせて出荷量が大きく増えたのに、契約が昔のままで見直しができない
逆に出荷が減ったのに、以前と同じ便数・同じ料金で支払いが続いている
配送時間帯を変えたいのに、契約条件がネックになって調整が難航してしまう
物流は、事業の成長やビジネスモデルの変化と一緒に変えていく必要があります。
最初に条件を決めるときは、次のような視点も意識しておくと安心です。
一定期間ごとに見直し・相談ができる条項を入れておく
便数やルート、時間帯の変更について「どこまで柔軟に変えられるか」を確認しておく
一社だけに依存しすぎず、別の手段も確保しておく
「長く付き合える柔軟なパートナー」を選べると、事業の変化にもスムーズに対応しやすくなります。
最後に、定期配送を運用するうえで欠かせない「解約・スキップ・変更ルール」の考え方も押さえておきましょう。
解約・スキップ・変更ルールを設計する際のチェックポイント
定期配送をトラブルなく続けるには、あらかじめ「やめ方・変え方」を決めておくことがとても大事です。
ここが曖昧なままだと、いざ数量や頻度を変えたいときに、お互いにモヤモヤしたまま話が進まなくなってしまいます。
解約・スキップ・内容変更のルールを決めるときは、次のポイントを意識してみてください。
いつまでに連絡すれば変更が間に合うか
・前日なのか、○営業日前なのか、曜日締めなのか などどこまで柔軟に変更できるか
・「数量だけ」なのか、「便数・エリア・時間帯」まで変えられるのかキャンセル料や追加料金の発生条件
・直前キャンセル時の扱い、急な増便の料金ルール など一時停止(スキップ)の扱い
・何回までスキップ可能か、期間はどれくらいか
こうしたルールが明確だと、現場担当者も判断しやすくなります。
また、トラブルが起きそうな場面でも、「事前に決めた通り」に話を進めやすくなるので、お互いに余計なストレスを抱えずに済みます。
ここまで、定期配送のデメリットや注意点を確認してきました。
次の章では、こうしたメリット・デメリットをふまえつつ、自社に合った定期配送の体制をどう設計し、どのようなステップで導入していくかを整理していきますね。
ピックゴーの定期配送|定期・ルート配送の課題をまとめて解決

ここまでで、定期配送のメリットと注意点はかなりクリアになってきたのではないでしょうか。
「じゃあ実際に自社でやるとなると、ドライバーの採用や車両の手配が大変そう…」と感じている方も多いはずです。
そこで候補になるのが、配送プラットフォーム「ピックゴー」の定期配送サービスです。
ピックゴーは、全国10万人以上のドライバーと企業をつなぎ、緊急配送から定期便までビジネスを支える配送プラットフォームとして展開されています。
自社でドライバーを抱えなくても、必要なタイミング・必要な頻度で、プロドライバーによる定期・ルート配送を組み立てられる仕組みですね。
公式サービスページでも、「いつもの決まった配送を固定のドライバーで運行するサービス」「ご依頼から見積もり・配車まで最短1日」という特徴が紹介されています。
人手不足や車両確保の悩みを抱えた企業にとって、かなり心強い選択肢と言えるはずです。
ここからは、ピックゴーの定期配送がどのように企業の課題を解決していくのかを、ポイントごとに見ていきましょう。
いつもの決まった配送を固定ドライバーで運行できる仕組み
定期配送で重要なのは、「いつも同じように運べるかどうか」だと感じませんか。
ピックゴーの定期配送では、いつものルートを固定のドライバーが担当する前提で運行を組める仕組みになっています。
固定ドライバーで回していくと、次のような良い変化が生まれやすくなります。
現場やルートに慣れるので、積み込み・荷下ろしがどんどんスムーズになる
店舗スタッフや工場担当とのコミュニケーションが取りやすくなり、ちょっとした相談もしやすい
注意点やクセを把握しているため、ミスやトラブルも減っていく
まさに「社内の配送担当がそのまま外部にいる」ようなイメージですね。
しかも、ピックゴー側には法人担当がつき、運行開始後の見直しや相談にも対応できる体制が整えられています。
自社採用が難しい状況でも、固定ドライバーによる安定した定期便を実現できるのは大きな強みです。
次に、その安定運行を支える「全国最大級のドライバーネットワーク」についても見ていきましょう。
全国最大級のドライバーネットワークで「すぐに定期運行を開始」
「固定ドライバーで回したいけれど、そもそも人が見つからない」という声は、どの業界でもよく聞きますよね。
ピックゴーは全国で10万人以上の配送ドライバーや運送事業者が登録しており、国内でも最大級の規模を持つ配送プラットフォームとして運営されています。
そのネットワークを活かした次のような特徴があります。
週1便から定期便をスタートできる柔軟な導入設計
依頼内容の相談から見積もり・配車まで、最短1日で対応可能
軽貨物から大型トラックまで、案件に合わせた車両の手配に対応
「ドライバーを採用するところから始める」のではなく、「まずはピックゴーに相談して、必要な台数・頻度を決める」という順番に変えられるのは、大きなメリットですよね。
スタートまでのスピード感があるからこそ、「とりあえず一部のルートだけ試してみたい」といったスモールスタートにも向いています。
続いて、自社でドライバーを雇う場合と比べたときのコスト面の考え方も整理していきましょう。
人件費を変動費化し、既存の運送会社よりコスト削減を狙えるポイント
自社でドライバーを雇用すると、給与や社会保険、車両の維持費などが固定費としてずっとかかり続けますよね。
一方でピックゴーの定期配送を活用すると、「必要なときに必要な分だけ依頼する」形に近づけやすく、人件費や車両費を変動費に寄せやすくなります。
ポイントを整理すると、こんなイメージです。
ドライバーの採用・教育コストをかけずに、すぐに運行を開始できる
週1便からの利用も可能なため、最初から大きな固定費を抱えなくて済む
荷量や頻度に応じて見直しをかけやすく、コストとサービスレベルのバランスを取りやすい
既存の運送会社に丸ごと任せている場合でも、
「メインの幹線輸送はこれまで通り」
「店舗や拠点周りのルート配送だけピックゴーで最適化」
といった役割分担を行うことで、トータルコストの削減やリスク分散を図れる可能性があります。
固定費に悩んでいる企業ほど、「一部をピックゴーの定期配送に置き換える」という発想を持つと、数字の見え方も変わってくるはずです。
次は、繁閑差や人員不足にどう対応できるのかという視点で、定期便とスポット便の組み合わせ方を見ていきましょう。
定期便×スポット便の組み合わせで繁閑差や欠員リスクにも柔軟対応
先ほど「定期配送のデメリット」として、繁忙期と閑散期のギャップや急な欠員の問題を挙げました。
この課題に対して、ピックゴーは定期便だけでなく、スポット配送や緊急配送も同じプラットフォーム上で利用できる構成になっています。
イメージとしては、次のような使い分けです。
平常時の「毎日」「毎週」といった決まったルートは、ピックゴーの定期配送で運行
セールやイベントで荷量が増える期間は、スポット便・緊急配送を追加して一時的に台数を増やす
ドライバーの急な欠勤や、既存運送会社のキャパオーバー時に、予備の選択肢としてピックゴーを活用
このように「定期便をベースに、足りない部分をスポットで補う」設計にすると、
繁忙期だけ車両と人件費が膨らむ
閑散期にトラックが遊んでしまう
といった状態を避けやすくなりますね。
一つのプラットフォームで定期・スポット・緊急をまとめて扱える点は、現場の運用面でも大きなメリットです。
最後に、ピックゴーの定期配送を導入する際の流れと、相談・見積もりの進め方を確認しておきましょう。
導入事例と、無料見積もり・相談までの流れ
「実際に導入している企業は、どんな課題を解決できているのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
ピックゴーの公式サイトやコラムでは、社内ドライバーの退職や人手不足で配送が回らなくなりかけていた企業が、定期配送のアウトソーシングによって安定稼働を取り戻した事例などが紹介されています。
導入の基本的な流れは、概ね次のようなステップです。
お問い合わせ・相談
現在の配送状況やお困りごとを、専任担当にざっくり共有
ヒアリング・提案・見積もり
ルート・頻度・車両サイズなどを整理し、最適な運行プランを提案
契約・ドライバー手配
固定ドライバー候補の選定や、顔合わせ・事前打ち合わせを実施
運行開始・運用の見直し
実際に定期配送をスタートし、必要に応じてルートや時間帯を微調整
法人向けサービスページからは、フォームでの無料相談や見積もり依頼が可能で、電話での相談窓口も用意されています。
「まずは一部ルートだけ試したい」「繁忙期だけ相談したい」といった相談もしやすい設計なので、ハードルはそこまで高くないはずです。
まとめ:定期配送を軸に、配送プラットフォームを組み合わせて強い物流をつくる

この記事では、定期配送の意味や種類、メリットと注意点を一通り整理してきましたね。
共通していたのは、「その場しのぎの手配」から卒業し、読める物流に切り替えることが、これからのビジネスには欠かせないという点でした。
とくに荷物量が増え続ける今、在庫・人員・コストを安定させるうえで、定期配送を軸に考える発想は大きな武器になります。
最後に、押さえておきたいポイントをまとめます。
安定して動く荷物は定期配送に乗せ、波が大きい分はスポット便で補う
頻度・時間帯・エリアを「現場が受け取りやすいか」を基準に設計する
長期契約や条件は、あとから見直せる余白を残しておく
自社で抱え込まず、配送プラットフォームもうまく組み合わせてリスク分散する
とはいえ、自社でドライバーを採用したり車両を増やしたりするのは、時間もコストも大きな負担になりますよね。
そこで心強い選択肢になるのが、全国規模のドライバーネットワークを持つピックゴーの定期配送です。
週1便から始められるうえ、固定ドライバーによるルート配送とスポット配送を同じプラットフォーム上で組み合わせられるため、繁閑差や欠員リスクにも柔軟に対応しやすくなります。
まずは「このルートだけ任せてみよう」といった小さな一歩からでもかまいません。
定期配送を軸にしつつ、ピックゴーのような配送プラットフォームを味方につけることで、ムリなく強い物流体制をつくっていきましょう。

