
不良在庫とは?減らすためのポイント、処分するメリットと注意点
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
不良在庫は単に売れない商品というだけでなく、キャッシュフローの悪化や管理コストの増大などさまざまなリスクを抱えています。そのため、現在不良在庫を抱えている場合は迅速な対処・対策が必要です。
今回は、不良在庫に関する基本的な知識や処分するメリット、注意点をご紹介します。不良在庫を減らすためのポイントも解説しますので、在庫問題の解決にお困りの場合はぜひ参考にしてください。
不良在庫の基礎知識

製造業やサービス業など適切な在庫管理が求められる現場では、不良在庫に関する理解が欠かせません。ここでは、不良在庫を抱えることで生じる不利益や処分方法をご紹介します。
不良在庫の定義
不良在庫とは、売れる見込みがなく経済的な損失につながるおそれのある在庫を意味します。例えば不良品や欠陥品、過剰生産によって売れ残った商品、賞味期限切れの商品などが当てはまります。不良在庫を放置していると長期間保管スペースを占拠することになるため、管理コストの増大につながる可能性があります。具体的には、在庫管理の人件費や保管状態の維持のための光熱費などが必要です。
また、不良在庫は他の商品に悪影響を及ぼす場合もあります。生鮮食品が腐食して他の食品に影響を与えてしまうケースや、経年劣化によって衣類が色落ちして他の商品に色移りしてしまうケースなどが代表例です。
不良在庫の処分方法
不良在庫を処分する場合、主に「廃棄」と「値引き販売」の2種類の方法があります。まずは値引き販売を行い、商品の品質が劣化する前に売り切るのが理想的です。値引きしても売れ残った場合は廃棄を検討しましょう。廃棄が難しい場合は、専門業者に在庫を買い取ってもらう方法もあります。ただし、買取後の流通先によっては企業のブランドイメージを低下させる可能性があるため、注意が必要です。
不良在庫を出さないためのポイント

不良在庫削減は、企業のキャッシュフローを改善し利益の最大化に役立ちます。ここでは、不良在庫を出さないためのポイントを解説します。
適正在庫を維持する
適正在庫とは欠品を防ぎ、かつ、過剰在庫にならない在庫数のこと。適正在庫をキープすることで、倉庫内の状況が把握しやすくなり不必要な生産や発注を防止できます。
在庫管理のノウハウがない場合や人材が不足している場合は、在庫管理システムの導入がおすすめです。在庫管理システムとは、在庫情報や入出庫情報を記録・管理し、在庫の過不足を削減するシステムを指します。在庫管理業務に必要な情報を一元管理できるため、省人化や業務効率の改善、ヒューマンエラーの防止などの効果が期待できます。
在庫回転率を高める
在庫回転率とは、一定期間内に自社製品の在庫が何回入れ替わったかを示す指標のことです。例えば1カ月で3回在庫が入れ替わっている場合、在庫回転率は「3回/月」となります。この数字が大きいほど、滞留在庫が少なく仕入れた商品がすぐに売れていることを表しています。在庫回転率は「一定期間の売上原価÷一定期間の平均在庫金額」で計算可能です。
ただし、在庫回転率は高ければ良いわけではありません。在庫の回転が早すぎると欠品しやすくなり、販売機会の損失につながる可能性があります。定期的に在庫回転率を見直し、適切な数字を維持することが大切です。
在庫管理業務を外注する
不良在庫の原因が自社のリソースやノウハウ不足にある場合は、在庫管理業務を外注するのもおすすめです。専門知識と経験が豊富なプロに在庫管理を任せることで、不良在庫や余剰在庫の発生を防止できます。また、アウトソーシングの利用によって在庫管理業務に充てていた時間や人員を、コア業務に注力できる点もメリットです。
不良在庫を処分するメリットと注意点

不良在庫が発生した場合は、できる限り早く処分するのが良いでしょう。放置しているとコストがかさむだけでなく、他の在庫の価値を下げてしまうおそれもあるためです。ここでは、不良在庫を処分するメリットと注意点を解説します。
処分するメリット
管理コストを削減できる
不良在庫の処分によって、商品を保管する倉庫にかかる費用や人件費、光熱費などを削減可能です。不良在庫を処分したスペースに売れ筋の商品を保管することができ、売上のアップも期待できます。また経営の健全化につながり、キャッシュフローの改善にも役立ちます。
節税効果が期待できる
在庫は不良在庫であっても資産として計上されるため、放置していると税金が発生します。そこで、在庫品処分セールを実施してでも売り切ることで資産が減少し節税につながります。値引きをしても売れ残った場合は、廃棄損を計上した上で廃棄することで利益が減少し節税が可能です。
金融機関からの評価が高まりやすくなる
不良在庫を抱えていない企業は、仕入れた商品がすぐに売れていると判断され金融機関からの評価が高まりやすくなります。特に、融資審査を受ける際は在庫回転率が判断材料になるケースもあるため、不良在庫は適切に処理しておくことが大切です。
処分時の注意点
不良在庫の廃棄処分は、税務調査で厳しくチェックされるため慎重に取り扱う必要があります。妥当性が認められないと、処分にかかる費用を経費に計上できなくなります。妥当な廃棄理由と廃棄の事実を示す書類を用意しましょう。
不良在庫を削減し経営の健全化を図ろう

今回は、不良在庫が企業に及ぼす影響や減らすためのポイントや処分時の注意点などを解説しました。不良在庫は企業の管理コストを増大させ、商品の種類によっては他の在庫の価値を下げる可能性があります。不良在庫が発生した場合は迅速に処分し、適正在庫を維持できるよう管理システムの導入などを検討しましょう。
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