
保税倉庫とは?利用時のメリットや注意点、基本的なフローを解説
目次[非表示]
- 1.保税倉庫とは?
- 2.保税倉庫を利用するメリットと注意点
- 3.保税倉庫を利用する際の流れ
- 3.1.STEP1:搬入
- 3.2.STEP2:他法令手続きに関する検査
- 3.3.STEP3:輸入申告
- 3.4.STEP4:輸入許可
- 3.5.STEP5:出庫
- 4.保税倉庫を活用してビジネスに役立てよう
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
インターネットの普及によりビジネスシーンのグローバル化が進んでいます。
日本国内で商品を生産・販売するだけでなく、海外から商品を仕入れて国内で販売するケースも少なくありません。
そこで重要になるのが、輸入した貨物を保管する保税倉庫の存在です。
今回は、保税倉庫の意味や保管期間、メリットや注意点などを解説します。
利用時の流れにも触れますので、輸入ビジネスをご検討の際はぜひ参考にご一読ください。
保税倉庫とは?

保税倉庫は、輸入ビジネスや貴重品の保管など幅広いシーンで利用される倉庫です。
ここでは保税倉庫の意味や役割についてご紹介します。
保税倉庫の意味
保税倉庫とは保税手続きを行った外国貨物について、通関を完了するまで保管(蔵置)する倉庫のこと。
指定保税地域や保税工場などと同じ保税地域の一種で保税蔵置場とも呼ばれます。
保税は、輸入貨物の関税の徴収を一時的に留保することを意味します。
保税倉庫は、輸入した貨物を迅速かつ安全に保管するために港や空港の近くに設置されるケースがほとんどです。
倉庫の所在地を管轄する税関長の許可があれば、自社倉庫を保税倉庫として活用することもできます。
保税倉庫の蔵置期間
保税倉庫を利用する場合、貨物の搬入から3カ月以内であれば承認を得る必要はありません。
3カ月を超えて保管する場合は税関長の蔵入承認が必要であり、承認日から原則2年間保管が可能です。
特別な理由や目的があれば延長も認められます。
保税倉庫を利用するメリットと注意点

保税倉庫の利用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは注意点と併せてご紹介します。
メリット
経費を削減できる
保税倉庫に保管されている貨物には関税や消費税などが発生しないため、輸送コストの削減につながります。
輸入ビジネスでトラブルが発生した場合は、税金を支払わずに保税倉庫から輸出元へ返送することも可能です。
トラブルの例としては輸入した商品の不備や法改正による規制強化、国内の販売ルートを確保できないなどが考えられます。
輸入貨物を安全に保管できる
保税倉庫は外国貨物の保管場所として税関長の許可を受けているため、大切な荷物を安全に保管できます。
通関手続きの途中で商品が汚れたり破損したりする心配がなく、その後のビジネスを円滑に進められます。
流通時間の短縮につながる
保税倉庫では商品の仕分けや検品、簡単な加工などの物流業務が行えるのもメリットです。
リードタイムの短縮につながり、顧客満足度や売上の向上を見込めるでしょう。
注意点
保税倉庫は、定められた利用フローを順守する必要があります。
漏れがあったり通関前の貨物を搬出したりすると、密輸入を疑われ処罰されるおそれがあるため注意しましょう。
保税倉庫を利用する際の流れ

上述の通り保税倉庫の利用には一定のルールが設けられています。ここでは保税倉庫を利用する際のフローについて5つのステップで解説します。
STEP1:搬入
保税倉庫に届いた貨物について取卸手続きを行った上で倉庫内へ運搬する作業です。
取卸手続きを行うには事前に「外国貨物仮陸揚の届出」の提出が求められます。
なお手数料はかかりません。
STEP2:他法令手続きに関する検査
保税倉庫内で貨物の内容を確認し、法令違反等がないかどうかチェックする工程です。
他法令とは関税法や関税定率法、関税暫定措置法以外の法律を指します。
関係法令が多岐にわたっており複数の省庁で確認する必要があるため、貨物の内容によっては検査に時間がかかるケースもあります。
STEP3:輸入申告
外国から貨物を輸入する際に税関長の許可を得るプロセスのこと。
インボイスや運賃明細書、保険料明細書、パッキングリストなどの必要書類を用意した上で管轄する税関官署にて申請を行いましょう。
貨物の内容に応じて書類の内容や数量を確認することが大切です。
STEP4:輸入許可
審査をパスした後、輸入者が関税を支払い国内に貨物を引き取れる状態にする工程です。
荷物の内容によっては検査が必要になるケースもあります。
輸入許可を受けると外国貨物から内国貨物へ扱いが変わり、国内への流通が可能になります。
STEP5:出庫
保税倉庫から貨物を搬出する作業です。
前述の通り保税倉庫内で商品の仕分けや検品を行えるため、出庫後はスピーディーな販売につなげられます。
また、保税倉庫を管理している物流業者にこれらの作業をアウトソーシングすれば人件費や手間の削減も見込めます。
保税倉庫を活用してビジネスに役立てよう

今回は、保税倉庫の役割や活用のメリットと注意点、利用時のフローをお伝えしました。
保税倉庫は、海外から到着した貨物を安全に保管し、国内への流通に向けて待機させるスペースです。
定められた利用フローを守る必要があるものの、倉庫内では物流作業を行うことが可能なため、リードタイムの短縮や輸送コストの削減が期待できます。外国貨物を扱うビジネスを始める場合は、保税倉庫を有効活用しましょう。
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