
配送ルートを最適化するには?新システムで物流業界の課題解決を実現
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
近年、需要が高まっている物流業界。
その背景にあるのは、商品やサービスをインターネットで売買する、EC市場の拡大です。
ネットショッピングの普及により、BtoBだけでなく、BtoC向けの配送依頼が増加しています。
配送ルート最適化の必要性

配送ルートの最適化とは?
配送ルートの最適化とは、複数の配送先を効率良く回る経路を作成することです。
最適化された配送ルートは、単に経路や順番が効率的というだけでなく、配送時間帯の管理や、ドライバーの休憩時間なども考慮する必要があります。
これまで最適ルートを算出するためには、拠点から配送先住所までの経路、走行距離と混雑状況などを考慮した走行時間帯、さらに積載量に余裕のある配送車両の確保やドライバーの稼働状況など、複雑な情報を全て人間(担当者)が把握した上で、最も効率的なルートを考えなければならないという課題がありました。
しかし、現在では最適なルートを算出するアプリやソフト、システムが提供されており、短時間で配送ルートを算出することが可能です。
こうしたアプリやソフト、システムが発展した背景には、AI技術の発展や、IT系ベンチャー企業の物流業界への参入が相次いでいることが挙げられます。
配送ルート最適化の必要性
配送ルートの最適化が求められる要因の1つが、「ドライバー不足」です。
現在、配送の需要が増えているのに対し、ドライバー不足が続いています。
国土交通省の調査によれば、2018年度の宅配便の取り扱い実績は43億701万個と、過去最高を記録。
そして、2019年12月のドライバー(自動車運転の職業)の有効求人倍率は3.39で、全職業平均の有効求人倍率1.53の2倍以上にまで伸びています。
さらに、不在時の再配達率が高く、全国平均で15.0%、都市部では16.6%(2019年10月時点)となっています。
このように、限られたドライバーで多数の配達・再配達を行わなくてはならないという現状があります。
できるだけ現場の負担を減らしつつ、適正な稼働時間で配達を完了させるには、配送ルートの最適化が不可欠なのです。
配送ルートを最適化する方法
配送ルートを最適化させるには、主に2つの方法があります。
1つ目は、クラウドでデータを管理し、配送ルートをアプリやシステムが作成することです。
従来のアナログによるルート作成は、どうしても制作時間がかかりやすく、共有もしづらかったために非効率といわざるを得ませんでした。
しかし、クラウド型のシステムを使えば、蓄積されたデータをもとに、配送ルートを自動作成することができます。
作成した配送ルートは、ドライバーが持つスマートフォンからアプリにアクセスして確認すれば良いので、共有の手間が省ける上、情報に漏れが出るのを防ぐことができます。
2つ目は、リアルタイムで車両を動態管理できるシステムを導入することです。
このシステムを導入すれば、急な依頼でも、配送に最適な位置にいる車両にチャットで指示を出して、迅速な対応ができるようになります。
従来のアナログ管理の場合、急な依頼には対応しづらいという制限がありました。
連絡手段が電話になってしまうため、移動時間や作業中は連絡が取れなくなるからです。
しかし、チャットであれば、ドライバーがすぐに確認でき、対応速度をアップさせることができます。
【出典】「トラック運送業の現状等について」(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/common/001242557.pdf
「一般職業紹介状況(令和元年12月分及び令和元年分)について」職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート))(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/201912-G35.pdf
「宅配便再配達率は15.0%~令和元年10月の調査結果を公表~」(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000484.html
配送ルートの最適化によるメリット

配送ルートの最適化には、効率良く配送を行えること以外にも、さまざまなメリットがあります。
具体的には、以下のような点がメリットとして挙げられます。
配送時間の削減
最適なルートの使用で業務が効率化されることで、配送時間が削減できます。
これまで、配送時間の削減に不可欠な業務の効率化は、個々のドライバーの能力に頼ることが多く、属人化しやすいとされていました。
業務に慣れたベテランドライバーや道に詳しいドライバーなら、自力で配送ルートを最適化できるかもしれませんが、新人ドライバーが同じように行うのは難しいでしょう。
しかし、あらかじめ自動作成された最適な配送ルートを共有することで、土地勘のない人でも効率的に配送先を回ることが可能です。
さらに、不慣れだと時間がかかりやすい配送計画を各自が作成せずに済み、配送業務に集中することができます。
よって、ドライバーの能力にかかわらず、全体の配送時間削減を実現しやすくなります。
急な条件変更への対応力向上
配送ルートを最適化すると、「受取人不在により配送予定が変わった」といった、急な条件変更にも対応しやすくなります。
条件変更後のルート最適化が可能なので、予定を組み直す手間もかかりません。
また、動態管理も行えるシステムの場合、急な新規の依頼にも即時対応ができて便利です。
さらに、遅延や事故が発生した場合、近くの車両にカバーの指示を出しやすくなるでしょう。
こういった対応力の向上は、最寄りの拠点から届け先までの「ラストワンマイル」におけるサービス向上につながるので、顧客の満足度アップにも効果的だといえます。
人件費や車両費の削減
効率的に荷物を配送できるため、少ない人員や車両台数でも仕事を回せるようになり、新たに人員や車両を増やさずに済みます。
さらに、効率化によって配送時間が減るため、残業代やガソリン代などのコスト削減にも役立ちます。
特に、多くの荷物を配送する宅配便の場合、効率化が残業代の削減につながりやすいです。
宅配便の配送ルート最適化に役立つソリューションシステム「スマリューポスト」

「スマリュー ポスト」とは?
スマリューポストとは、運転や荷物の運搬以外の配送関連業務を、スマートフォンのみで一気通貫で完了できるクラウドサービスです。
スマリューポストは、配送ルートの最適化のほか、荷物状況や位置状況の管理など、宅配に必要なあらゆる機能を網羅。
初心者のドライバーでもすぐに業務を行えるように開発されており、2019年6月時点で、すでに延べ利用人数約2万人、総配送貨物量約65万個の実績があります。
「スマリューポスト」のメリット
スマリューポストを導入することで、さまざまなメリットが得られます。
即戦力のドライバーを増やすことができる
配送ルートを自動的に最適化してナビゲーションするため、土地勘のない場所や経験の少ないドライバーでも、詳しく調べることなく業務を開始できます。
配送ルートを考えながら荷台を整理する必要がなくなるため、荷物の積み込みから出発までがスムーズです。
再配達の解消に役立つ
受取人の過去の不在データから在宅時間を予測し、独自のアルゴリズムで配送ルートを自動生成する機能が備わっています。
不在の可能性が高い場合は、配送をスキップしたルートを生成してくれるので、再配達の解消にも役立ちます。
ミスが発生しにくい
荷物のコードはスマートフォンでスキャンするため、荷物の積み残しや取り違いが起きにくくなります。
さらに受け取り時に電子サインをもらうことで、受領証の紛失防止や、リアルタイムの受領確認が可能です。
人的ミスが減らせるので、余計な業務が生まれるのを防ぐことができます。
スマリューポストは誰もが使いやすく設計されており、低価格で簡単に導入できます。
熟練ドライバーのノウハウの共有もできるため、配送業者にとっても、サービスを受けるお客さまにとってもメリットがあるでしょう。
クラウドを活用したルートの最適化をご検討の方におすすめのサービスです。
配送ルートの最適化で、ドライバーと顧客両方の満足度向上を

ドライバーの不足や業務過多といった課題解決に効果的な、配送ルートの最適化。
効率的な業務を可能にして、働きやすい環境を整えることは、既存のドライバーの定着と新しいドライバーの確保につながります。
さらに、スマリューポストのようなクラウドサービスを用いてスピーディーな対応を実現すれば、顧客の満足度にも良い影響を与えるでしょう。
現状の業務体制に課題を感じている方は、ぜひドライバーと顧客にとってWin-Winとなるクラウドサービスを導入してみてはいかがでしょうか?

