
運送業のドライバー不足の現状と原因|期待高まる新サービスとは?
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
日本の物流業界では、ドライバーの人材不足が深刻化しています。インターネットでのショッピング「EC (イーコマース)」による宅配便の需要が増加しているのが大きな要因といわれています。さらに最近は、トラックドライバーの労働環境の悪化、ドライバーの高齢化、また女性進出の遅れなどが問題視され、政府もドライバー不足の課題解決のための取り組みを実施しています。
今回は、運送業界のドライバー不足の現状と原因、またそれを解消する新サービスについてお伝えします。
目次[非表示]
- 1.なぜドライバー不足が起きるのか?
- 1.1.ドライバー不足の現状
- 1.2.ドライバー不足が起きる原因
- 2.ドライバー不足を解消するには?
- 2.1.運送業界の効率化
- 2.2.ドライバーの待遇改善
- 2.3.個人配送網の利用
- 3.運送を効率化し、ドライバーの待遇改善に役立つCBcloudのサービス
- 4.業務体系をシステム化しドライバー不足の解決を!
なぜドライバー不足が起きるのか?
ドライバー不足の現状
現在、トラックドライバーの求人は増加しているにも関わらず、求職者が少ない状況です。
トラックドライバーの有効求人倍率は、2.75倍(2019年5月時点)。これは全職業平均の有効求人倍率1.35倍の2倍以上に及びます。
有効求人倍率とは、企業からの求人数を、公共職業安定所に登録している求職者数で割った数値のこと。求職者1人に対して求人が何人いたかを示します。人手不足の時は、有効求人倍率が1を上回り、就職難の時は1を下回ります。
有効求人倍率が2.75ということは、求人の多さに対し、求職者が少ないということを表しています。
また欠員率を見てみると、トラックドライバーの欠員率は5.7%(2019年5月時点)。
欠員率とは、常用労働者数に対する未充足求人数の割合のこと。この数値が高いほど人手不足を表しします。
ちなみに、全産業平均の欠員率は3.1%。トラックドライバーの欠員率は約1.8倍に達し、日本の全産業のなかで最も欠員率が高くなっています。
さらに、物流分野において「トラックドライバーが不足していると感じている企業」は63%(2017年時点)と人材確保に頭を抱えているようです。
【出典】
厚生労働省 トラック運転車の長時間労働改善に向けたポータルサイト「統計からみるトラック運転者の仕事」
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/national/index.html
国土交通省「物流を取り巻く現状について」(2018年10月)
http://www.mlit.go.jp/common/001258392.pdf
ドライバー不足が起きる原因
- ドライバーの労働条件が悪い
全産業と比較すると、低賃金・長時間労働の傾向にあることが、ドライバー不足の大きな要因と考えられています。
厚生労働省の調査によるトラックドライバーの年間所得(2018年度)
・大型トラック 457万円
・中小型トラック 417万円
全産業年間平均所得497万円と比較すると、大型トラックは約1割、中小型トラックの年間所得は約2割低くなっています。
トラックドライバーの年間労働時間(2018年度)
・大型トラック 2580時間
・中小型トラック 2568時間
全産業年間平均労働時間2124時間と比較すると、大型・中小型トラックともに約1.2倍長くなっています。
- ドライバーの高齢化と女性進出の遅れ
現在はドライバーの高齢化が進み、厚生労働省はこのままいくとさらにドライバー不足が深刻化すると発表しています。
同省の調査によると、道路貨物運送業に従事する約45.1%が40~54歳と発表しています(2018年度)。29歳以下の若年層は、ほんの9.3%です。
ちなみに、全産業の平均は、40~54歳が34.9%、29歳以下が16.5%となっています。
また、道路貨物運送業で働く人のうち女性就業者の割合は2.3%(2018年度)。
日本国内、全産業の女性就業者の平均は44.2%です。
この数値の少なさからも、道路貨物運送業は今後、女性ドライバーの進出・活躍が望まれる業界だといえるでしょう。
- 宅配の需要が増加し続けている
ドライバー不足が問題とされている一方、ドライバーの需要は増加し続けています。国土交通省の発表によれば、2018年度の宅配便の取り扱い実績は43億701万個で過去最高となりました。2015年から4年連続で増え続けています。
需要増加の背景には、Amazonや楽天などのEC(ネット通販)市場の急速な拡大があります。
【出典】
厚生労働省 トラック運転車の長時間労働改善に向けたポータルサイト「統計からみるトラック運転者の仕事」
https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/national/index.html
国土交通省「平成30年度 宅配便取扱実績について」
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000195.html
ドライバー不足を解消するには?
運送業界の効率化
ドライバー不足を解消するには、物流作業全般を効率化し労働時間を削減する必要があります。
リアルタイムで配車の動態状況が把握できるシステムを導入すれば、作業時間が短縮し、労働環境はがらりと変わります。
いまだに紙ベースで配車表を制作したり、業務変更を伝えるために各ドライバーへ電話したり、アナログで管理を行っている運送会社があります。非効率的な業務体系のままでは、この先ドライバー不足はさらに深刻化することでしょう。
ドライバーの待遇改善
今後はドライバーファーストの視点を持つことが大切になります。
ドライバーの需要が増加したことにより、自社で保有するトラックの台数でまかなうことができる案件数以上の仕事を受注した場合、下請けに発注する企業が出てくるでしょう。このような形で多重下請けが多発すると、低所得の大きな要因となってしまうのです。
運送業界はこうした多重下請けの習慣を切り替える必要があります。
また、長時間労働の原因となる荷待ち時間の短縮化を行い、ドライバーの待遇を改善していくことが大切です。
個人配送網の利用
軽貨物運送業の届け出を行った個人事業主(黒ナンバー)を活用することも、ドライバー不足の解消に役立ちます。
個人の配送網を持つドライバーを活用するには、効率的に荷主と個人ドライバーをつなぐ配送マッチングサービスをおすすめします。マッチングサービスを利用すると、ドライバーは空いた時間を使って仕事ができるため、ドライバーの収入増加に貢献することができます。
ドライバーの待遇改善を可能にし、ドライバー不足の解決策となるシステムを次にご紹介します。
運送を効率化し、ドライバーの待遇改善に役立つCBcloudのサービス
配送マッチングサービス「ピックゴー」
配送プラットフォーム「ピックゴー」は、荷主と配送パートナーを直接オンラインでつなぐプラットフォームです。
このサービスを活用すると、荷主とドライバー双方にメリットが生じます。
- 荷主にとってのメリット
依頼から配送までの時間を短縮できます。
また、荷主は荷量に合わせて車両を手配できるため、物流コストの削減を実現できます。
- ドライバーにとってのメリット
プラットフォームを介し直接荷主とつながるため、中間の運送会社から中抜きされません。仕事に見合った適正な報酬を得ることができるでしょう。
また、荷主からの評価を直接実感できるため、努力が報われやすいともいえます。
さらに、ピックゴーを活用すれば、個人ドライバーは自分の稼働日に報酬を得ることができるのも嬉しいポイント。
業務体系をシステム化しドライバー不足の解決を!
複雑な配送ルート。再配達による効率の低下。ドライバーの低賃金。こうした労働環境の悪化がドライバー不足という問題を招いています。
運送業界の業務を効率化し、ドライバーの待遇を改善することが急務です。
ますます増加する宅配需要に反比例するドライバー不足。この課題を解決するには、ITシステムを活用することが大切です。
業界の活性化のためにも、新サービスを積極的に利用してみてはいかがでしょうか?