
検品の基礎知識|仕事内容とメリット、現場が抱える主な課題と解決策
目次[非表示]
- 1.検品に関する基礎知識
- 2.検品作業における主な課題
- 2.1.ヒューマンエラーが発生しやすい
- 2.2.コストがかかる
- 2.3.リソースが不足しやすい
- 3.検品作業の主な課題に対する解決策
- 3.1.検品作業のアウトソーシング
- 3.2.ハンディターミナルの導入
- 3.3.RFIDの活用
- 3.4.倉庫管理システム(WMS)の導入
- 3.5.配送品質の向上
- 4.検品の精度を高めて物流品質の向上につなげよう
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
EC市場の拡大により物流倉庫から直接消費者のもとへ商品を配送する機会が増え、検品作業の重要性が増しています。検品のミスによって、届いた商品が間違っていたり壊れていたりすると顧客からの信頼低下につながりかねません。
そこで取り組んでいただきたいのが、検品品質の改善です。本記事では、検品業務の内容や現場が抱える課題を解説し、その解決に役立つ施策をご紹介します。EC市場への進出を考えている企業や、検品に課題を抱える事業者様はぜひ参考にしてください。
検品に関する基礎知識

検品は物流業務の中で品質管理を担う作業です。検品によって製品の状態をチェックし、欠陥や異物の混入などを防ぐことで安心して顧客へ商品を配送できます。最初に、検品の基礎知識や仕事内容、メリットを解説します。
検品とは?
検品とは、商品や荷物の状態や品質、数量などに問題がないかチェックする作業のこと。工場や倉庫、物流センターなどで行われることが多い作業です。発注内容と商品が異なる場合クレームの原因となる可能性が高く、物流において重要な工程のひとつとされます。
検品の仕事内容
検品業務には、商品の入荷時に行う「入荷検品」と、出荷時に行う「出荷検品」の2種類があります。どちらも商品の納品書や注文書をもとに間違いがないか確認し、数量や品質、不良品、破損の有無などを検査します。
検品を行うメリット
誤出荷の防止につながる
保管状況や出荷作業が適切でも、入庫された商品に不備があれば誤出荷につながる可能性があります。入荷時や出荷時に検品を行うことで、商品の間違いや異物の混入などに気づけるため誤出荷を未然に防止できます。不良品の出荷リスクも軽減でき、物流品質の向上にも役立つでしょう。
ブランドイメージの低下を防止できる
誤出荷や納品遅延を頻繁に起こしていると取引先からの信頼を失い、自社のブランドイメージ低下にもつながりかねません。検品作業を丁寧かつ迅速に行い良好な状態で商品を顧客へ届けることで、ブランドイメージの向上とリピーターの獲得につながります。
トラブルが発生した作業を把握しやすくなる
誤出荷や紛失などのトラブルが発生した場合は、再発防止のためにもどの段階で問題が生じたか調査する必要があります。検品作業を行っていれば、トラブルが発生した作業を把握しやすいのもメリットです。例えば、入荷検品時には問題がなかった場合、流通加工やピッキング、仕分けなどの作業工程でミスが起きたのかもしれません。出荷検品時にも異常がなかったのであれば、配送時のトラブルが考えられます。
検品作業における主な課題

検品は軽作業と呼ばれることもあり、作業内容はシンプルです。しかし、現場はさまざまな課題を抱えており、十分な検品対応ができていないケースも少なくありません。ここでは、検品作業における主な課題をご紹介します。
ヒューマンエラーが発生しやすい
検品は目視や手作業で行われるケースが多いため、数量の数え間違いや不良品の見逃し、管理台帳への記入漏れなどが発生しやすいとされます。出荷検品時に数量を間違えたことで後の流通加工作業で原材料が不足し、納期の遅延などのトラブルにつながる場合もあります。
また、人手不足の影響で正社員が検品を担当しておらず、アルバイトや派遣社員、パートを雇用している事業所も少なくありません。経験や知識不足からトラブルが生じることもあります。
コストがかかる
検品を自社で行うには、倉庫費用だけでなく人件費、光熱費、管理システムの導入費用などがかかります。事業規模が拡大すると物量が増加し、検品を行うスタッフを増やしたり新たな設備を導入したりする必要があるため、コストも増加する傾向にあります。機械の導入などを検討し、作業の自動化や効率化を進めることが大切です。
リソースが不足しやすい
事業所の規模によっては物流業務を専任で行う人材を集められないケースがあるため、従業員が別の業務と兼任し商品の仕入れ時や受注時に検品作業を行う事務所もあります。また、検品の精度を上げるためにダブルチェックを実施している企業が多く、リソース不足の原因となっています。
検品作業の主な課題に対する解決策

検品作業を自社の強みに変えて物流品質の向上につなげるには、上記課題の解決が求められます。そこで最後に、課題に対する解決策をご提示します。
検品作業のアウトソーシング
アウトソーシングは、3PL事業者やフルフィルメントサービス事業者に業務を委託する方法です。3PLとは、荷主企業が物流部門全般の業務を外部の物流会社に委託する業務形態のことで、3PL事業者は物流会社を指します。また、フルフィルメントサービスはEC事業に関して、商品の受注から発送、アフターサービスなどの業務全般を行うサービスです。
検品業務を外注することで作業品質が安定し、ヒューマンエラーの防止が期待できます。専門業者には、知識や経験の豊富なスタッフと最新の設備が揃っているため、作業を安心して任せられます。
また、自社でリソースを用意する必要がなくなり、検品作業に回していた人材や時間をコア業務に充てやすくなるのもメリットです。営業やプロモーション、商品開発などにリソースを集中できれば売上アップも見込めます。ただし、自社の目が届かないところでトラブルが発生する可能性もあるため、フォロー体制や責任の所在について各事業者と事前に確認することが大切です。
ハンディターミナルの導入
ハンディターミナルは、荷物に取り付けられたバーコードやICタグを読み取るデータ収集端末装置です。入荷時にはハンディターミナルでバーコードを読み取り、納品ミスの有無を確認。出荷時にはピッキング指示書のバーコードをスキャンし、指定の場所に商品を取りに行きます。
ハンディターミナルを導入すれば、人の手や目視で行う作業を減らせるため人為的なミスを防止しやすくなります。作業が単純化し、未経験者の即戦力化や作業時間の短縮が期待できるのも魅力です。ただし、ハンディターミナルと合わせて、読み取ったデータを管理する在庫管理システムの導入が必要になるため、倉庫の規模や物量によっては導入コストが大きくなります。
RFIDの活用
RFIDとは、電波を活用して荷物に取り付けられたタグのデータを読み書きするシステムです。バーコードと異なり非接触でスキャンが可能なため、電波の届く範囲であれば複数のタグをまとめて読み取ることができます。運用にはRFタグと専用のリーダーが必要です。RFIDを導入すれば、スキャンの回数を減らせるため検品業務を効率化できます。事業成長の影響で物量が増え、人手不足となっている現場などにおすすめです。
RFIDのデメリットには、バーコードと比較して導入コストが高い点や、商品の梱包状態によってはタグを読み取れないケースがある点などが挙げられます。特に、商品がアルミで覆われていると電波を遮断する可能性があるため事前の確認が必要です。
倉庫管理システム(WMS)の導入
倉庫管理システムとは、部品や完成品の保管、入出庫の管理など、倉庫作業全般をマネジメントするために利用されるツールです。ハンディターミナルと組み合わせて導入されることが多く、ヒューマンエラーの削減に役立ちます。また、倉庫管理システムを活用してデータをクラウド上で管理していれば、入荷検品と出荷検品で担当者が代わる場合でも情報を共有しやすくスムーズに作業できます。
配送品質の向上
検品時のトラブルを防止するには、物流倉庫への配送品質を向上させることも重要です。雑な配送によって商品が破損すると、丁寧に検品を行ってもクレームにつながる可能性があります。検品作業の品質を向上させる際は、倉庫内だけでなく倉庫外の業務も見直しましょう。
検品の精度を高めて物流品質の向上につなげよう

検品は物流品質の鍵を握る業務です。ミスやトラブルが続けば顧客との信頼関係が失われ、注文が来なくなる可能性もあります。反対に、丁寧で迅速な検品を行い良好な状態で商品を配送できれば、顧客満足度や企業イメージのアップが期待できます。この機会に検品作業を見直し、物流品質の向上に役立てましょう。
検品作業の効率化につながる「配送品質の向上」には配送のアウトソーシングも効果的です。商品の種類に合わせた車両や評価の高いドライバーを手配できる「ピックゴー」の利用をご検討ください。貴社ビジネスに合わせた新しいモノの流れの構築をご提案いたします。

