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在庫回転率とは?計算方法と重要視される理由、数値を改善するコツ

こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。


小売業や製造業など在庫管理が求められる現場では、在庫回転率の理解が欠かせません。在庫回転率を度外視し過剰な仕入れや生産を続けていると、管理コストが増大し経営を圧迫する可能性があるためです。


そこで今回は、在庫回転率の基礎的な知識や計算方法、さまざまな現場で重要視される理由をお伝えします。在庫回転率が低い場合の改善ポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。


目次[非表示]

  1. 1.在庫回転率の基礎知識
    1. 1.1.在庫回転率とは?
    2. 1.2.在庫回転率の計算方法
  2. 2.在庫回転率が重要視される理由
    1. 2.1.コスト削減につながる
    2. 2.2.適正在庫を把握しやすくなる
    3. 2.3.売れ筋の製品を確認できる
    4. 2.4.需要予測に活用しやすい
    5. 2.5.作業効率や動線を見直すきっかけになる
  3. 3.在庫回転率を向上させるコツ
    1. 3.1.在庫回転率の目標を決める
    2. 3.2.リードタイムを短縮する
    3. 3.3.販売価格を見直す
    4. 3.4.不良在庫を処分する
    5. 3.5.POSレジを導入する
    6. 3.6.在庫管理システムを導入する
  4. 4.在庫回転率を改善して経営の健全化を図ろう


在庫回転率の基礎知識

在庫回転率は、自社の在庫状況を把握する際に使用される指標です。在庫回転率を適切に管理することで売れ筋商品や死に筋商品を見極め、在庫削減を実現できます。ここでは、在庫回転率の基礎的な知識や計算方法をご紹介します。


在庫回転率とは?

在庫回転率とは、一定期間内に自社製品の在庫が何回入れ替わったかを示す指標のこと。棚卸資産回転率や商品回転率とも呼ばれます。例えば、1カ月で5回在庫が入れ替わっている場合、在庫回転率は「5回/月」です。在庫回転率の高い商品は、需要が高く、よく売れていることを表します。商品の種類や性質に応じて在庫回転率の高低を確認することが大切です。


  • 在庫回転期間との違い

在庫回転期間とは、商品の在庫が1回入れ替わるまでにかかった期間のことです。2カ月かかった場合、在庫回転期間は「2カ月/回」と表します。在庫回転期間の短い商品は、在庫の入れ替わりが早く、よく売れている商品といえます。


在庫回転率の計算方法

在庫回転率の計算方法には2種類あります。決算書作成が目的の場合は「金額」から、普段の在庫管理が目的の際は「個数」から計算するのがおすすめです。


  • 金額から算出する方法

金額から算出する場合の計算式は、「在庫回転率=売上原価(売上金額)÷平均在庫金額」です。一般的に1年間の期間で算出します。売上原価は「期首在庫金額(商品棚卸高)+入庫金額(仕入れ高)-期末在庫金額」、平均在庫金額は「(期首在庫金額+期末在庫金額)÷2」で計算可能です。
例えば、期首在庫金額が40万円、入庫金額100万円、期末在庫金額30万円の場合、売上原価は「40万+100万-30万=110万円」、平均在庫金額は「(40万+30万)÷2=35万円」となります。そして、この場合の在庫回転率は、「110万÷35万≒3.14回/年」です。売上原価を販売額にして計算してしまうと、手数料やその他の利益の影響で正しい値が算出できない可能性があるため注意しましょう。


  • 個数から算出する方法

在庫回転率を個数から算出する場合は、「在庫回転率=総出庫数÷平均在庫数」の計算式を使用します。こちらも1年間の期間で算出するのが一般的です。総出庫数は1年間で倉庫から出庫した在庫数をすべて足した値で、平均在庫数は「(期首在庫数+期末在庫数)÷2」で計算できます。例えば、総出庫数が500個、期首在庫数が100個、期末在庫数が30個の場合、在庫回転率は「500÷((100+30)÷2)≒7.69回/年」となります。


在庫回転率が重要視される理由


在庫回転率は、小売業や製造業、物流業などさまざまな現場で重要視されています。こちらではその理由を解説します。


コスト削減につながる

在庫回転率の低い製品の管理には、多額のコストが生じています。具体的には、在庫管理にかかる人件費や廃棄処分時の費用、倉庫の賃料、光熱費などが考えられます。在庫回転率を把握しサイクルの悪い商品を見極めることで、在庫量の調整や販売計画の見直しなど早めに対策を講じ、無駄なコストの削減につなげることが可能です。


適正在庫を把握しやすくなる

適正在庫とは欠品を防止でき、かつ、余剰在庫を抱えない在庫数のこと。定期的に在庫回転率を計算し現在と過去のデータを照らし合わせることで、在庫量の適正値を把握しやすくなります。適正値からズレがある場合は、入荷量の削減や販売方法の見直しなどが可能です。過剰在庫による収益の悪化や、在庫切れによる販売機会損失の防止にもつながります。


売れ筋の製品を確認できる

在庫回転率を計算することで在庫の動きが可視化されます。売れ筋の商品と死に筋の商品を判別しやすくなるため、今後の仕入れや販売計画の見直しに役立ちます。


需要予測に活用しやすい

在庫回転率の定期的な測定と比較によって顧客ニーズの変化をリアルタイムで把握でき、需要予測に生かしやすくなります。例えば、在庫回転率の低下は需要の減少を意味するため、発注量や製造量を調整することで滞留在庫の発生を未然に防止できます。


作業効率や動線を見直すきっかけになる

在庫回転率の高い商品は定期的に注文があり、出庫回数も他の製品より多い傾向にあります。そこで、倉庫内のロケーションを見直し作業員が取り出しやすい位置に移動することで、作業効率や動線の最適化を図れます。


在庫回転率を向上させるコツ



ここでは、在庫回転率を向上させるためのポイントを解説します。商品回転率がアップすれば仕入れた商品をすぐに売り切ることができ、キャッシュフローの改善など経営の健全化につながります。在庫回転率の向上や適正在庫の維持にお悩みの場合は、ぜひ参考にしてください。


在庫回転率の目標を決める

最初に商品ごとの在庫回転率の目標を決めることで、具体的な施策を検討しやすくなります。過去の売れ行きや競合他社の製品データをもとに算出し、社内に共有しましょう。設定した在庫回転率は定期的にチェックし、場合によっては見直す必要があります。景気変動や新製品の登場などの影響を受ける可能性があるためです。


リードタイムを短縮する

リードタイムとは、商品の注文完了から顧客の手元に届くまでの時間のことです。リードタイムを短縮できれば顧客に素早く商品を届けられるようになり、満足度の向上が期待できます。その結果、商品の売上が伸び、在庫回転率のアップにもつながりやすくなります。


販売価格を見直す

価格が高いため商品が売れておらず在庫回転率が低くなっているケースでは、価格を下げることで販売促進につながる可能性があります。売上が減少するというデメリットはあるものの、在庫を抱え続けるコストが不要になる点を考慮するとメリットは大きいといえます。不良在庫になってしまうと、処分したり、さらに価格を下げて販売したりしなければなりません。不良在庫とは、売れる見込みがなく経済的な損失につながるおそれのある在庫を指します。


不良在庫を処分する

在庫回転率が低下し、すでに不良在庫となっている商品は、早い段階で処分するのが効果的です。不良在庫を放置していると在庫回転率向上の妨げになるだけでなく、商品の種類によっては他の在庫の価値を下げる可能性もあるためです。滞留期間や在庫回転率に一定の基準を設け、下回った商品は適切に処分するようにしましょう。


POSレジを導入する

POSレジとは、顧客への販売時点(Point of Sales)での商品情報を記録・集計する機能を持つレジのことです。POSレジの導入によって商品の売れ行きをスピーディーに把握し倉庫と店舗の在庫状況を一元管理できれば、在庫管理の効率化につながり、商品回転率の向上に役立ちます。


在庫管理システムを導入する

在庫管理システムとは、在庫情報や入出庫情報を記録・管理し在庫の過不足を削減するシステムです。在庫量を適正に保ちやすくなり、在庫回転率の向上が見込めます。


在庫回転率を改善して経営の健全化を図ろう



在庫回転率は商品の売れ行きだけでなく、自社の経営状態を把握する際にも役立ちます。定期的に在庫回転率を算出し過去のデータと比較することで、最小限の在庫量で高い利益率を確保できる事業へと成長させましょう。
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