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マーチャンダイジングとは?主な種類と実践方法、期待できる効果

こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。


小売業や流通業では常に顧客目線を欠かさないことが大切です。売り手が販売したい商品だけを並べ、作りたいものだけを作っていては消費者にアプローチできず、新規顧客やリピーターの獲得につながりません。そこで実践していただきたいのがマーチャンダイジングと呼ばれる戦略です。

本記事ではマーチャンダイジングの概要や種類、実践方法、見込める効果などを解説します。企業のマーケティング部門のご担当者様は、ぜひ参考にご一読ください。


目次[非表示]

  1. 1.マーチャンダイジングとは?
    1. 1.1.マーチャンダイジングの概要
    2. 1.2.マーチャンダイジングとマーケティングの違い
  2. 2.マーチャンダイジングの主な種類
    1. 2.1.ビジュアルマーチャンダイジング
    2. 2.2.クロスマーチャンダイジング
    3. 2.3.ウェザーマーチャンダイジング
    4. 2.4.スクランブルドマーチャンダイジング
    5. 2.5.ライフスタイルマーチャンダイジング
  3. 3.マーチャンダイジングの実践方法
    1. 3.1.適正な商品を揃える
    2. 3.2.適正な時期に販売する
    3. 3.3.適正な場所を選ぶ
    4. 3.4.適正な数量を確保する
    5. 3.5.適正な価格をつける
  4. 4.マーチャンダイジングによって期待できる効果
    1. 4.1.コスト削減につながる
    2. 4.2.顧客満足度の向上が期待できる
    3. 4.3.成功事例を社内に蓄積できる
    4. 4.4.商品や店舗の認知に役立つ
    5. 4.5.消費者のニーズに柔軟に対応しやすくなる
  5. 5.マーチャンダイジングを実践して満足度と収益性の向上を両立しよう


マーチャンダイジングとは?

小売業界や物流業界で耳にする機会の多いマーチャンダイジング。マーケティング戦略の一環として多くの企業が取り組んでいます。ここでは言葉の定義やマーケティングとの違いを解説します。


マーチャンダイジングの概要

マーチャンダイジング(merchandising)とは小売業や流通業における、消費者に商品を適切に提供するための戦略全般を指すマーケティング用語です。店舗や事業者が顧客の目線に立って商品の選定や販売、売り場づくり、プロモーションなどを行うことを意味します。日本語では「商品化計画」や「商品政策」と訳され、担当者はマーチャンダイザー(MD)と呼ばれます。


マーチャンダイジングとマーケティングの違い

マーケティングとは販売目標を達成するために4つのPに着目し、それぞれに対する戦略を立てること。あらゆる業種・業態で重要視される考え方です。4つのPは製品(product)や価格(price)、流通(plece)、プロモーション(promotion)を指します。
マーチャンダイジングは、上記戦略を小売業や流通業向けに特化させたものです。小売店で商品を販売する場合は、マーチャンダイジングに取り組む必要があります。小売店向けのマーチャンダイジングを指してインストアマーチャンダイジングと呼ぶこともあります。


マーチャンダイジングの主な種類

マーチャンダイジングは、戦略ごとにいくつか種類があります。施策に取り組む際は、自社の販売する商品やサービスに適した方法を選ぶことが大切です。ここではマーチャンダイジングの主な種類とそれぞれの特徴を解説します。


ビジュアルマーチャンダイジング

ビジュアルマーチャンダイジングとは商品の演出や陳列方法を工夫することで消費者の視覚に訴えかける手法のこと。「Visual Marchandising」の頭文字を取ってVMDやVMとも呼ばれます。例えばコーディネートした洋服をマネキンに着せて店頭にディスプレイする、季節のイベントに合わせて売り場をレイアウトするなどの手法が考えられます。

ビジュアルマーチャンダイジングを実践すると商品が魅力的に見えるようになり、手に取ってもらいやすい売り場づくりが可能になるのがメリットです。従来は店舗経営で重視されていた考え方でしたが、現代ではECサイトにおける商品の見せ方にも取り入れられています。


クロスマーチャンダイジング

クロスマーチャンダイジングは、商品を陳列する際に関連性の高いアイテム同士を近くに配置する販売手法です。消費者の利便性を高めることで相乗効果による「ついで買い」を狙います。具体的には精肉コーナーで味付け用の調味料を販売する、お酒コーナーにおつまみとなるお菓子を配置する、電化製品と電池を組み合わせて購買を促すなどの方法があります。


ウェザーマーチャンダイジング

ウェザーマーチャンダイジングとは天候や気候による消費者の行動の変化を商品の販売戦略に活用する手法のこと。当日の天気予報や長期的な気象データを考慮して売り場づくりを行います。例えば夕方から雨の予報が出ている場合は店舗の入り口近くに傘を配置する、気温の推移を踏まえてアイス売り場を拡張するなどの戦略が考えられます。


スクランブルドマーチャンダイジング

スクランブルドマーチャンダイジングは、同じ店舗で多ジャンルの商品やサービスを販売する戦略です。品揃えを充実させることで顧客ニーズを充足しやすくなり、顧客の増加や売上のアップが期待できます。ただし、店舗は商品管理のコストが増大しやすいというデメリットがあります。食品や日用品を販売するドラッグストア、衣類を販売するスーパーなどが代表例です。


ライフスタイルマーチャンダイジング

ライフスタイルマーチャンダイジングとはターゲットとなる顧客のライフスタイルに合わせて販売する商品を決める手法です。「美」をテーマとして化粧品や美容家電、健康食品などを販売するビューティーショップ、「食」をテーマとして食材や調理器具、食器などを取り扱う専門店などが該当します。顧客ニーズに応じて商品を横展開することでリピーターの獲得や客単価の向上が見込めます。


マーチャンダイジングの実践方法



マーチャンダイジングは、商品の訴求力向上や他店との差別化を図る目的で導入されるのが一般的です。ただし、マーチャンダイジングの実践には5つの適正を意識する必要があります。ここではそれぞれの適正の意味と実践方法を解説します。


適正な商品を揃える

商品の陳列方法や販売時期を工夫しても欲しい商品がなければ来店を見込めないため、店舗運営では適正な商品を仕入れ、品揃えを充実させる必要があります。マーチャンダイジングのもっとも基本的な考え方といえます。品揃えを充実させるには市場調査や顧客分析を通してニーズやターゲットを明確にすることが大切です。競合の多い商品を中心に販売している場合は、他店との差別化や独自化も意識しましょう。


適正な時期に販売する

商品の売れ行きをアップさせるには適正な時期に仕入れや販売を行うことも重要です。需要が高まるタイミングに合わせて商品を提供することで消費者の目に留まりやすくなります。寒い時期に販売をスタートするおでんや、夏場に売り場を拡大する水着などが代表例です。


適正な場所を選ぶ

適正な場所とは仕入れた商品を店内のどこに配置するか決定すること。適正な場所に商品を陳列できれば消費者の購買意欲を刺激する売り場になります。陳列場所を決めるには消費者の動線を意識することが大切です。
例えばレジ前に手に取りやすいお菓子を配置する、売りたい商品を棚の中央に陳列するなどの方法が考えられます。店内の回遊性を高めることで買う予定のなかったものや忘れていたものを購入してもらえる可能性が高まるでしょう。クロスマーチャンダイジングの手法を活用するのも効果的です。


適正な数量を確保する

顧客のニーズを満たしつつ売上を最大化するには適正在庫を維持することが大切です。欠品が生じると販売機会の損失や品揃えの悪さにつながり、過剰在庫が発生すると管理コストの増大によって売上が低下するおそれがあります。在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)などを活用し販売と仕入れのバランスを取りましょう。
在庫管理システムとは在庫情報や入出庫情報を記録・管理し、在庫の過不足を削減するシステムを指します。また倉庫管理システムは、部品や完成品の保管、入出庫の管理など倉庫作業全般をマネジメントするために利用されるツールです。


適正な価格をつける

マーチャンダイジングを実践する際は、適正な値付けを行う必要があります。例えば価格を下げれば購入希望者は増えるものの利益率は上がらず、価格を上げすぎると購入してもらえなくなります。市場の相場や顧客の需要、競合店の価格、仕入れ価格などを踏まえて適正価格を見極めることが重要です。


マーチャンダイジングによって期待できる効果



マーチャンダイジングの取り組みは企業や小売店にどのような効果をもたらすのでしょうか。最後にマーチャンダイジングによって見込める効果をご紹介します。


コスト削減につながる

マーチャンダイジングを実践することで商品の仕入れ量や販売方法を適正化できるため、コスト削減が期待できます。具体的には在庫管理にかかるコストや売れ残った商品を廃棄するリスクを減らせます。売り場設計に関するルールを自社に合わせて最適化できれば、試行錯誤にかかる時間や人件費も削減できます。


顧客満足度の向上が期待できる

マーチャンダイジングによって消費者のニーズに合わせた販売戦略が可能になるため、顧客満足度の向上が見込めます。特に品揃えや価格設定、魅力的なディスプレイなどは満足度に直結しやすい項目です。購買意欲を刺激することで商品を手に取ってもらいやすくなり、客単価や売上のアップ、リピーターの獲得も期待できるでしょう。


成功事例を社内に蓄積できる

マーチャンダイジングは単発の施策ではなく継続的に実施する必要があるため、成功事例をナレッジとして社内に蓄積しやすいのがメリットです。商品を横展開する場合や店舗を拡大する際は、過去の事例を参照することで販売に再現性を持たせられます。ただし、市場のニーズは短期間で変化する可能性があるため、過去の成功事例に固執するのではなく情報をアップデートすることも重要です。


商品や店舗の認知に役立つ

マーチャンダイジングを実践して商品のラインナップや販売方法、陳列方法にこだわることで商品自体や店舗の宣伝に役立ちます。例えば、競合店にはない珍しい商品を販売していれば一度足を運んでみようと考える方もいます。最初は購入に至らなかったものの、次の機会には購入してもらえるケースもあるでしょう。マーチャンダイジングは、商品や店舗の認知手段としても有用です。


消費者のニーズに柔軟に対応しやすくなる

マーチャンダイジングでは常に顧客目線で商品や販売方法、陳列場所などを選定するため、消費者のニーズに柔軟に対応しやすくなります。あらゆる面で顧客のニーズを満たすことができれば満足度も向上し、より多くの方が店舗に足を運んでくれるようになるでしょう。


マーチャンダイジングを実践して満足度と収益性の向上を両立しよう

今回は、マーチャンダイジングの意味や種類、実践方法、見込める効果などをお伝えしました。マーチャンダイジングは、多様化する消費者ニーズに対応する手段のひとつとして多くの企業で注目されています。販売する商品の種類や陳列方法、価格などを見直し顧客満足度と利益の向上を両立しましょう。
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