
一般貨物の荷主探し10選|新規開拓を仕組み化して直荷・元請けを増やす方法(運送会社向け)
目次[非表示]
- 1.荷主探しの前に決めること(ここを飛ばすと失敗する)
- 2.一般貨物の荷主探し10選(成果が出やすい順)
- 2.1.①既存取引先から横展開する(最短で成果が出やすい)
- 2.2.②倉庫・物流拠点(3PL/倉庫会社)に提案する
- 2.3.③製造業・卸の出荷担当へ直接アプローチ(直荷化しやすい)
- 2.4.④商談会・展示会で接点を作る(名刺→翌週提案が強い)
- 2.5.⑤地域の企業リスト+電話/フォーム提案(王道)
- 2.6.⑥協力会社ネットワークを拡張(受ける/逃がす)
- 2.7.⑦求荷・配車マッチングでスポット案件を受ける(即効性)
- 2.8.⑧地域の同業・異業種(建材/食品/機械など)と連携
- 2.9.⑨Webで問い合わせを作る(営業導線としての自社サイト)
- 2.10.⑩「困りごと」起点で提案する(単価が上がりやすい)
- 3.荷主に刺さる提案の型(コピペで使えるテンプレ)
- 3.1.初回メール/フォーム提案テンプレ
- 3.2.電話の最初の一言テンプレ
- 4.取引開始で事故らない:与信・条件・契約の最低限チェック
- 5.荷主探しを“継続して成果が出る”運用にする(週次KPI)
- 5.1.週次KPIの目安(例)
- 5.2.失注理由をタグ化(次が勝てる)
- 6.ケーススタディ(現場で起きる2パターン)
- 7.まとめ:荷主探しと並行して「空車を埋める導線」を持つと勝てる
- 8.空車が出た日の稼働を作るなら:ピックゴー(運送会社向け)
「紹介が途切れると荷量が落ちる」「単価が上がらない」「空車が増えて利益が残らない」
一般貨物の運送会社にとって、荷主探し(新規開拓)は“営業力”以前に、仕組みの有無で成果が決まります。
結論から言うと、荷主探しは次の流れで勝ちやすくなります。
①狙う荷主像を決める(選ぶ)
②接点を増やす(数を作る)
③提案を型化する(刺さる形にする)
④取引条件で粗利を守る(事故る前に防ぐ)
⑤スポットで稼働の穴を埋める導線を持つ(継続できる)
この記事では「一般貨物 荷主 探し」で調べている運送会社向けに、今日から動ける手順に落として解説します。
荷主探しの前に決めること(ここを飛ばすと失敗する)
狙う荷主を「3条件」で定義する
荷主探しで最も多い失敗は「なんでも運びます」状態で営業することです。
まずは以下を固定します。
エリア:地場(例:都内〜近県)/幹線(例:関東〜関西)
車格:軽/2t/4t/10t/トレーラ(ウイング・平なども)
強み:時間指定対応/パレット可/手積み対応/当日対応(要相談)など
“狙う荷主”が決まると、営業リストも提案文も一気に刺さるようになります。
直荷(元請け)と下請け・協力会社をどう使い分けるか
直荷(元請け):単価・関係性が良くなりやすい/立ち上げに時間
下請け・協力会社:即効性が高い/単価は伸びにくいことがある
現実的には、
「直荷で安定(中長期)」+「スポット・協力会社で穴埋め(短期)」の併用が最も強いです。
一般貨物の荷主探し10選(成果が出やすい順)
①既存取引先から横展開する(最短で成果が出やすい)
同じ荷主グループ、関連会社、別拠点、別部門(倉庫・出荷)など。
信用がすでにあるため、最短で増便につながりやすいです。
②倉庫・物流拠点(3PL/倉庫会社)に提案する
出荷波動があり、運送会社を探していることが多い領域です。
ただし、待機・附帯作業が出やすいので、条件の明文化が必須です(後述テンプレ参照)。
③製造業・卸の出荷担当へ直接アプローチ(直荷化しやすい)
直荷・元請け化を狙うなら鉄板。
「安いから」ではなく、“安定運行できる条件整理”の提案が刺さります。
④商談会・展示会で接点を作る(名刺→翌週提案が強い)
展示会は“困っている荷主”が集まりやすい場です。
名刺を取ったら、翌週までに提案(後述テンプレ)すると成約率が上がります。
⑤地域の企業リスト+電話/フォーム提案(王道)
数が効く手法です。
ただし「安いです」ではなく、困りごと解決型(当日対応、波動吸収、条件整理)で提案します。
⑥協力会社ネットワークを拡張(受ける/逃がす)
繁忙は逃がす、閑散は受ける。
稼働を作りやすく、紹介も生まれやすいです。
※ただし、粗利ラインがないと疲弊します(後述)。
⑦求荷・配車マッチングでスポット案件を受ける(即効性)
荷主開拓は立ち上がりに時間がかかるため、
その間の空車・稼働割れを埋める手段として有効です。
重要なのは「何でも受ける」ではなく、条件が合う案件だけ拾う仕組みにすることです。
⑧地域の同業・異業種(建材/食品/機械など)と連携
繁閑差が補完できる組み合わせで強いです。
ただし温度帯や荷姿など、相性が合う領域だけに絞ります。
⑨Webで問い合わせを作る(営業導線としての自社サイト)
採用サイトだけではなく、営業用に以下を明記します。
対応エリア
車格・仕様(例:4tウイング、パレット可)
運べる荷物/運べない荷物
よくある便(例:○○→○○)
問い合わせテンプレ(必要情報)
⑩「困りごと」起点で提案する(単価が上がりやすい)
繁忙期だけ運んでほしい
当日・翌日の急ぎに対応してほしい
時間指定や受付条件が厳しい便を安定化したい
“困りごと”は価格より価値で選ばれやすく、条件整理→単価改善にもつながります。
荷主に刺さる提案の型(コピペで使えるテンプレ)
初回メール/フォーム提案テンプレ
件名例:【運送のご相談】○○エリア/4t(ウイング)対応の件
本文テンプレ:
はじめまして、○○運送の○○と申します。
当社は○○エリアを中心に、一般貨物の輸送(車格:4tウイング/パレット可)を行っています。
対応可能条件(例)
・対応エリア:○○〜○○
・対応時間:平日○時〜○時(当日・翌日対応は要相談)
・荷姿:パレット/ケース(手積みは内容による)
・よくある便:○○→○○(地場/幹線)
もし現在、
・繁忙期の増便
・急なスポット対応
・時間指定便の安定化
などでお困りの便がありましたら、条件整理のうえお見積りをご提案できます。
一度、ご状況を10分ほどお伺いできますでしょうか。
電話の最初の一言テンプレ
「運送のご担当者さまはいらっしゃいますか。○○エリアの一般貨物で、空き便が出やすくスポット〜定期化まで対応できるため、ご挨拶でお電話しました。」
取引開始で事故らない:与信・条件・契約の最低限チェック
取引条件チェックリスト(粗利を守る項目)
支払サイト(末締め翌月/翌々月など)
キャンセル規定(当日キャンセルの扱い)
待機の扱い(何分から、追加費用は)
附帯作業の有無(検品・仕分け・横持ち・手積み等)
受付条件(予約枠、入構手順、荷役の有無)
事故時の責任範囲/保険
口約束を残さない(メールで条件確定)
条件確認テンプレ(荷主に聞くべき質問セット)
見積前に、最低限これだけ確認します。
荷物:荷姿(パレット/バラ)/重量/サイズ/温度帯
積卸:手積み手降ろし有無/荷役担当(荷主側 or ドライバー)
時間:集荷時間/納品時間/受付可能時間帯(幅の有無)
待機:過去の平均待機/予約枠の有無
付帯:検品・仕分け・横持ちの有無
走行:高速利用可否/指定ルート
支払:支払サイト/請求締日
契約:キャンセル規定/免責範囲
荷主探しを“継続して成果が出る”運用にする(週次KPI)
荷主開拓で差がつくのは、センスではなく活動量と改善です。
目安として、まずは以下を回します(自社に合わせて調整OK)。
週次KPIの目安(例)
新規接点:20件/週(電話・フォーム・紹介含む)
会話(課題ヒアリング):5件/週
見積提出:2件/週
受注:1件/月(最初はこれで十分)
失注理由をタグ化(次が勝てる)
単価が合わない
時間指定が厳しい
待機が長い
支払サイトが長い
附帯が多い
→ 次回は「狙う荷主」「提案条件」「受ける基準」を修正できます。
ケーススタディ(現場で起きる2パターン)
ケース1:地場4t|倉庫提案→スポット→定期化
課題:閑散期に午後の空車が増え、稼働が割れる
打ち手:倉庫会社へ提案 → スポットで実績 → 受付条件を整理して定期化
ポイント:最初から「定期契約」を狙わず、スポット→信頼→定期の順で進める
ケース2:幹線10t|復路が弱い→スポット併用→直荷獲得
課題:復路空車回送が常態化し、粗利が削れる
打ち手:復路前提の運行設計+スポットで穴埋め → 直荷の提案を継続
ポイント:空車が出る状態だと焦って条件が崩れやすい。
先に穴を埋める導線を持つことで、直荷営業を継続できる。
まとめ:荷主探しと並行して「空車を埋める導線」を持つと勝てる
荷主開拓(直荷・元請け)は中長期で効きますが、立ち上がりには時間がかかります。
その間に空車が増えると、燃料費・人件費だけが先に出て、収益が不安定になります。
だからこそ、荷主探しと並行して、
スポット案件で稼働を作れる導線(埋め札)を持っておくのが現実的です。
▹2t・4t・10tといった「トラック」の案件実態を把握し、空車や帰り便を収益化するための具体的な活用イメージ。

