
空港から宿泊先に手荷物を当日配送!JAL×ピックゴーで実現した新しい旅行体験
企業名 |
日本航空株式会社 様 |
主な事業内容 |
航空運送事業 |
配送物 |
手荷物 |
課題 |
・新規事業を国内の各空港に展開していく上で、全国に配送網を持つ業者を探していた |
効果 |
・全国に配送パートナーを抱えるピックゴーは、サービスとの親和性が高かった |
日本航空株式会社(JAL)は言わずと知れた国内大手の航空会社であり、航空運送に関連する様々な事業を展開しています。
今回は、「世界中のヒト・モノ・コトの距離を縮め、豊かでサスティナブルな社会を実現する」というミッションを掲げて、JALグループの新しい収益の柱となる事業開発に取り組む事業創造戦略部の高橋 翔様と磯崎 くるみ様にお話を伺いました。
航空輸送をJALが、地上輸送をピックゴーが担う新しいサービス
―御社の様々な事業展開の中で、ピックゴーを使った取り組みについて教えてください。
高橋様:2022年7月より提供を開始した「JAL手荷物当日配送サービス」で、ピックゴーに協力いただいています。こちらは、羽田空港到着便に搭乗されるお客様の手荷物を、出発空港または羽田空港でお預かりし、当日中に宿泊先までお届けするサービスです。航空輸送は弊社で担い、空港から宿泊先までの地上輸送をピックゴーにお願いしています。
▲「JAL手荷物当日配送サービス」の図解
―ありがとうございます。空港で預けた荷物がお客様の手を介さずに宿泊先まで届くというサービスは、もともと御社に構想があったのでしょうか?
高橋様:はい。弊社のこのサービスの根幹には、お客様の移動をシームレスにお繋ぎしたいという考え方があります。航空会社だからこそできる「お客様の旅行体験に新しい価値を提供する」方法を考えたとき、荷物配送の利便性を高めるサービスの構想が始まりました。
―到着空港で大きな荷物を預けて出掛けられるのは大きなメリットですね。地上輸送を依頼できるサービスは他にも数多くある中で、ピックゴーを選んでいただいた決め手はどのような部分でしたか?
高橋様:ピックゴーとのお付き合いは、2020年の実証実験の頃からです。物流ノウハウが豊富である点と、配送ネットワークの広さが、弊社が思い描くビジネスを上手く支援してくれると考えました。
航空周りという特殊な環境下において、どのように配送のオペレーションするのか等、弊社グループが実現したいビジョンを正確に理解した上で、実際のビジネスフローを調整していただけた点が大変に助かりました。
―配送パートナーが集荷のために空港に入るだけでも、調整が必要ですね。
高橋様:そうなんです。空港ビルは弊社の所有ではないため、事前の申請も含めて様々な課題がありました。実証実験では、荷物が想定通りにお客様の手元に届かないケースもあり冷や汗をかきましたが、そういったトライ&エラーの全行程に寄り添ってくださり、一緒に頭を悩ませてくれたところは今も記憶に強く残っています。
―ありがとうございます。弊社としても、ピックゴーのサービスは汎用性の高いものと認識しています。その分、お客様のビジネスとどのように結びつけられるかを徹底して考える必要があります。御社とご一緒させていただき、貴重な経験ができました。
▲実証実験の様子
実証実験から現場の課題やトラブル解決に奔走してくれた配送パートナー
―ピックゴーとの取り組みの中で不安に感じた点はありますか?
高橋様:実を言うと、荷物を運んでくださる配送パートナーさんが、現場のトラブルにどこまで対応いただけるか不安はありました。御社で対応される事項と、配送パートナーさんで対応される事項の線引を把握していなかったためです。
―なるほど。配送パートナーの対応はいかがでしたか?
高橋様:弊社の持っていた不安は無用で、蓋を開けてみると配送パートナーさんは驚くほど親身に相談やトラブルに向き合ってくれました。特に実証実験の段階では、ホテルとの意思疎通をはじめとして、実際に配送してみて初めて把握できるトラブルにも解決のために奔走してくださいました。また、弊社からの急なお願いにも、親身に迅速に対応していただき大変助かりました。
―毎日使っていただいているので、顔見知りの配送パートナーも多いのでしょうか?
高橋様:そうですね。ただ嬉しいことに、手荷物当日配送サービスを利用してくださるお客様も増えており、増便分は臨時の配送パートナーさんにお願いしています。こちらも大変にスムーズで助かっています。
また、以前配送パートナーさんの車に同乗してコミュニケーションをとらせていただく機会がありましたが、その際に印象的だったのが、配送パートナーさんはただ荷物を運ぶだけではなく、プロジェクトそのものに目を向けてくださっていた点です。「このサービス面白いですよね」と感想を聞かせてくださり、一緒にビジネスを作っていく目線でプロジェクトに携わってくれていると分かったのは、新鮮な体験でした。
―御社の案件に携わる配送パートナーからも、「誇りを持って運行させていただいている」との声があります。御社と一緒にプロジェクトを作っていく気持ちで配送してくれているのは、弊社としても大変に嬉しい部分で、品質担保・向上に繋がっていると感じます。
ちなみに、配送サービスを利用されるお客様から直接お声をお聞きする機会はありますか?
磯崎様:全国の出発空港とコミュニケーションを図る中で、出発空港の担当者からお客様の声を共有してもらう機会があります。やはり「手ぶらで観光できるのでラク」「荷物を気にしなくて良くなったので時間の節約になる」とのお声が多く、弊社としても嬉しい限りです。
高橋様:2回目の実証実験では、同サービスを利用いただいたお客様全員にアンケートをお送りしたのですが、回答にはサービスをポジティブに評価するものが多くありました。例えば、これまで手荷物に関するストレスとして「ロッカーが埋まっていて使えない」や「初めての場所でロッカーがどこにあるか分からない」という経験のある方には、利便性を感じてもらえる結果となりました。今後はリピート率等分析を続けていきたいと思います。
―ありがとうございます。弊社としても大変励みになるお話です。
システム連携により当日の荷物量に応じた車両台数を手配
―手荷物当日配送サービスにおいて、ピックゴーが解決した課題は端的にどのようなものだったのでしょうか?
高橋様:結論から申し上げると、小回りの利く配送を実現してくれました。こうしたサービスを構築しようとしたとき、これまでは大型トラックによる配送が当然の前提だったのです。大型トラックは荷物にボリュームがあると使いやすいのですが、荷物が少ない場合や、都内で近いエリアに点在するホテルごとに荷物を配送するような場合は小回りが利かず、コストや誤配のリスクが課題でした。
ピックゴーの場合は軽貨物車両で配送してくれるので、小回りが利く上、1台に乗せる荷物も少ないため誤配も起こりにくいです。これによりコストを踏まえて適切なオペレーションでの手荷物当日配送サービスを実現できました。
―他にお客様の荷物を扱う課題や悩みはありますか?
高橋様:航空輸送とも共通するのですが、難しい点は荷物量が当日になるまで分からないところです。そのため荷物量の予測と、それに合わせた車両の手配をいかに正確に行うかが重要になります。
ただピックゴーの場合は、即日の配送にも対応してくださるので、荷物量が予測を上回った場合も大きなトラブルなく当日配送を実現できています。
―このあたりは弊社のシステムの強みかもしれません。荷物量のデータ連携をさせていただいているので、御社の確認や判断を仰がなくても必要な数の車両を弊社で手配できるためです。
高橋様:フレキシブルに対応いただき大変助かっています。
▲JAL様とのシステム連携イメージ
すべてのお客様にストレスのない移動と配送を
―今後、御社としてピックゴーに期待する新しい展開はありますか?
高橋様:まずは、手荷物当日配送サービスを利用できる出発空港と到着空港を増やしていきたいと考えています。主要な観光都市から優先的に展開していき、行く行くは全国の空港で利用できるサービスにしていきたいと考えています。ピックゴーにはぜひとも地上配送の面でさらなるご支援をいただきたいです。
―ありがとうございます。弊社の配送パートナーは全国におりますので、ぜひともお声掛けください。今後は弊社としても新しいサービスを積極的に考え、さらなる利便性向上に貢献していきたいと思います。本日はお時間をいただきありがとうございました。