
物流コストの見方|費目の種類や2020年における業種別の傾向を解説!
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
物流業務にかかわる各種費用は、「物流コスト」と呼ばれます。この物流コストを抑えると、より多くの利益を確保できるようになることから、各企業がコスト削減に取り組んでいます。具体的にどのようなコストが発生しているのか、費目の種類を確認してみましょう。
ここでは、物流業界の基礎知識を身に着けたい配車ご担当者様へ向けて、物流コストの見方について解説します。また、2020年における業種別物流コストの傾向もご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
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物流コストの種類

輸送費
「輸送費」とは、品物を目的地まで運ぶうえで発生する費用のことです。たとえば、車両の費用やドライバーの人件費のほか、運賃・燃料費・高速料金・駐車料金なども輸送費に含まれます。輸送費は、物流コストにおける割合が高いため、コスト削減の際にも重視されやすい部分です。
保管費
「保管費」とは、品物を倉庫などの場所で保管するうえで発生する費用のことです。保管場所となる倉庫の維持費や賃借料、品物の品質維持や管理のための保管料などが必要となります。保管費を抑えるには、倉庫業務をアウトソーシングしたり、在庫数を最低限にとどめたりする方法が採用されます。
包装費
「包装費」とは、倉庫や物流センターなどで行われる、品物の梱包作業で発生する費用を指します。まず挙げられるのは、ダンボール・緩衝材・テープ・フィルムをはじめとした、梱包資材の費用です。また、品物のパッキング作業にかかわる人件費も包装費に含まれます。梱包資材の単価をできる限り下げ、かつ作業を効率化することで、コストを抑える必要があります。
荷役費
「荷役費」とは、品物の入荷・出荷で発生する費用のことです。荷役とは、品物の積み込み・積み下ろし、倉庫への入庫・出庫などを指します。入出庫作業、仕分け作業、ピッキング作業にかかわる人件費が、荷役費の主な内訳です。業務の最適化やシステムの導入によって、いかに作業効率を高められるかが重視されます。
物流管理費
「物流管理費」とは、物流の全体管理にかかる諸費用を指します。物流現場では、事務処理や情報管理といった業務も必要です。そのためには、上記以外にも通信費や機器の導入費といったさまざまな費用が発生します。
業種別の物流コストの傾向

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が発表した「2020年度物流コスト調査報告書」を元に、物流コストの傾向をご紹介します。
業種別の物流コストの傾向
まずは業種別の物流コスト比率を確認してみましょう。物流コスト比率とは、物流コストの金額を売上で割って算出した数値のことです。これにより、企業の売上における物流コストの割合が明らかになります。2020年度の調査結果によると、製造業の比率は5.48%、非製造業では5.16%でした。非製造業のうち、卸売業の比率は5.57%、小売業では3.74%、その他では5.96%となっています。全業種の比率は5.96%です。
2019年度の調査結果と比較すると、製造業の比率は4.94%から0.54ポイント増加しています。非製造業では4.85%から0.31ポイントの増加です。一方で、非製造業のうち卸売業の比率は4.77%から0.80ポイント増加しているものの、小売業では4.35%から0.61ポイント減少し、その他では8.03%から2.07ポイント減少しています。
多くの業種では、近年の物流コスト比率に上昇傾向が見られました。その背景にあるのは、物流業界の人手不足による影響を受けた、運賃や荷役費の値上げです。今後も各業種の物流コスト比率は上昇すると考えられています。
2020年度における物流コスト全体の傾向
2020年度の調査結果では、物流コストの総額は2兆6,851億円でした。
同調査に回答した企業171社のうち、「物流コストの値上げ要請があった」と回答したのは142社であり、その割合は83.0%となっています。この142社のうち、値上げ要請に応じたのは136社であり、その割合は95.8%です。全体の8割以上が何らかの値上げ要請を受け、さらにこのうち9割以上が要請に応じたことになります。
なお、値上げ要請があったコストの種類(複数回答)を確認すると、「輸送費」と回答したのが131社、「荷役費」が71社、「保管費」が44社、「包装費」が18社、「物流管理費」が8社となっています。
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、物流業界にも大きな影響がありました。同年の調査では、調達活動について「影響がある」と回答した企業が52.4%、製造活動については58.3%、販売活動については75.1%という結果になっています。2021年においても、引き続き経済活動への影響が懸念されている状況です。
【出典】「2020年度物流コスト調査報告書」(公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会)
業界の基礎知識として物流コストの見方を押さえておきましょう

物流コストの種類や、2020年の業種別物流コストの傾向をご紹介しました。物流業界の基本を知るうえでは、物流コストに関する基礎知識が欠かせません。特に輸送費の見直しを行うなら、配送プラットフォームの「ピックゴー」がおすすめです。配車にかかる時間やコストの削減が期待できます。配送ご担当者様は、お伝えした情報をぜひ日頃の業務で参考にしてみてください。

