
置き配とは?サービスを利用するメリット・デメリットを詳しく解説
目次[非表示]
- 1.置き配とは
- 1.1.置き配の利用条件
- 1.2.置き配のサービスが広がる背景
- 2.置き配の流れ
- 2.1.配送指示を置き配に指定
- 2.2.ECサイトが配送業者に依頼
- 2.3.配送業者が商品を配達
- 2.4.指定場所に商品を置く
- 2.5.配送業者が商品到着を通知
- 3.置き配を利用する3つのメリット
- 3.1.1.到着時間を気にしなくていい
- 3.2.2.自宅にいる必要がない
- 3.3.3.非対面で商品を受け取れる
- 4.置き配を利用する3つのデメリット
- 4.1.1.盗難のリスクがある
- 4.2.2.商品が汚れる可能性もある
- 4.3.3.誤配送のリスクがある
- 5.置き配に対応したECサイト
- 6.置き配を利用できる配送業者
- 7.まとめ
インターネットによる商品の注文ができる現代では、置き配のサービスを利用する人が増えています。置き配は顧客が配送業者と対面せずに商品を受け取れるため、利便性が高いサービスです。
しかし、これまで置き配のサービスを利用したことがない方は「商品が安全に届くのか心配」といった悩みもあるでしょう。当記事では、置き配の詳細からサービスを利用するメリット・デメリットを詳しく解説します。
置き配の流れや対応したECサイト・配送業者まで紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
置き配とは
置き配とは、顧客が指定した日時・場所に非対面で商品を届けるサービスです。一般的には配送業者が顧客と対面して商品を届けますが、置き配は指定された場所に商品を置きます。
玄関のドア前や宅配ボックス、車庫、物置などを置き配の指定場所として依頼することが可能です。一般的な商品の配送は受け取るまで自宅に待機しておく必要があるため、その時間帯に家を出たい方には不便に感じます。
置き配であれば自宅にいなくても商品を置いてもらえるので、ライフスタイルに合わせて柔軟な対応ができます。学校や仕事で家を空けることが多い方は、置き配のサービスを利用すると良いでしょう。
置き配の利用条件
置き配のサービスは、提供する企業によって利用条件が異なります。
郵便局では受取人の住所と同じ建物・構内であること、外部から分からない場所であること、雨などで汚れる恐れがないことなどが置き配の利用条件です。
Amazonの場合、以下のような注文は置き配を指定できません。
置き配に対応していない地域での注文
郵便受けに投函できる包装で発送された商品の注文
提携ネットスーパーでの注文
一定の金額または重量を超える商品の注文
代金引換の注文
デジタル商品の注文
医薬品、高度管理医療機器または特定管理医療機器の注文
上記項目に該当する注文を行う場合、Amazonでは置き配のサービスを利用できなくなっています。楽天市場にも同じような利用条件があるため、サービスを利用するときは事前にチェックしておくようにしましょう。
参考URL:Amazon 置き配オプションについて
置き配のサービスが広がる背景

置き配のサービスが広がる背景には、非接触の必要性や物流業界のドライバー不足があります。2019年12月初旬から世界的に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の普及によって、不要な接触を避ける取り組みがはじまりました。
商品の発送においても配送業者と顧客の接触によって感染のリスクがあったことから、防止策として非対面で商品を届けられる置き配のサービスが導入されるようになったのです。
郵便受け・宅配ボックスの販売を行っている株式会社ナスタが2023年12月に調査した結果、置き配利用率は67.3%へ到達したデータがあります。
コロナ禍によって非対面受取の需要は拡大を見せており、置き配の必要性が注目されているのです。また、配送業者が対面で商品を届ける場合、顧客の不在によって再配達が必要になってしまいます。
国土交通省の調査では2019年の再配達率は15%となっており、ドライバー不足に悩まされる物流業界では深刻な課題となっています。
そこで再配達を削減するため、置き配のサービスが提供されるようになり2023年10月時点では再配達率が約11.1%まで減少しました。
このような背景から、置き配のサービスは世界的に広がりを見せているのです。
置き配の流れ
置き配は、以下のような流れで商品を顧客のもとへ届けます。
配送指示を置き配に指定
ECサイトが配送業者に依頼
配送業者が商品を配達
指定場所に商品を置く
配送業者が商品到着を通知
それでは順番に説明します。
配送指示を置き配に指定
はじめに、ECサイトから商品を購入した顧客が配送指示を行います。Amazonや楽天市場は配送指示から「置き配」を指定できるため、選択して商品を届ける場所・日時を設定します。
注文が確定すると、商品を購入したECサイトから顧客の登録メールアドレス宛てに確定メールが送られる流れです。ECサイトの運営会社は顧客からの注文内容をチェックし、配送指示にしたがって処理を進めていきます。
ECサイトが配送業者に依頼

Amazonや楽天市場といった大手ECサイトは、商品を管理する自社倉庫を各地域に用意しています。顧客から注文があった商品は倉庫で包装を行い、提携している配送業者に依頼されます。
配送業者は対応エリアの商品を集荷し、それぞれの顧客のもとへ配送する流れです。配送業者はEC通販事業者から顧客が希望する配送方法を情報共有されており、一般配送もしくは置き配を判断できます。
配送業者が商品を配達
配送業者はEC通販事業者からの指示に従い、指定場所・日時に商品を配達します。
例えばAmazonの場合、商品を一般配送するときに日時変更を行うことが可能です。
場合によっては顧客から商品のキャンセル依頼が来ることもあるため、EC通販事業者は配送業者と常に連携している状態となっています。
顧客からの日時変更やキャンセルがなければ、EC通販事業者からの指示通りに商品が配達されます。
指定場所に商品を置く

配送業者は、EC通販事業者からの指示のもと指定場所に商品を届けます。指定場所は顧客が選択できるため、玄関のドア前や宅配ボックス、車庫、物置などを指定可能です。
雨によって濡れそうな場所を指定された場合、配送業者は顧客へ連絡を取る必要があります。
配送業者が商品到着を通知
配送業者が商品を指定場所に届けたあとは、顧客に到着情報を通知します。Amazonの場合、配送業者が置き配を終えると顧客に商品を置いた場所を画像送信します。
配送完了メールも合わせて届くため、どのタイミングで商品が届いたのか把握することが可能です。顧客はどのように商品が置き配されたのか理解できるので、安心して受け取れます。
置き配を利用する3つのメリット
置き配を利用することで、以下のような3つのメリットがあります。
到着時間を気にしなくていい
自宅にいる必要がない
非対面で商品を受け取れる
それでは詳しく解説します。
1.到着時間を気にしなくていい
置き配は商品が指定場所に置かれているため、商品の到着時間を気にする必要はありません。一般配送の場合、配送業者との対面が必要になるので顧客は指定場所で待機しておく必要があります。
到着時間まで指定場所を離れることができず、用事があるときは不便に感じてしまいます。
普段から仕事や学校で多忙な方でも手軽に商品を受け取れるため、置き配は利便性の高い方法となっているのです。
EC通販事業者にとっても顧客満足度が向上することから、優良顧客を獲得できます。そのため置き配は、顧客とEC通販事業者の双方が得をするメリットといえるでしょう。
2.自宅にいる必要がない
置き配はすでに商品の決済が完了しているため、自宅で代引きをする必要がありません。一般配送は決済方法に関わらず、配送業者と対面をして商品を受け取らなくてはいけません。
Amazonや楽天市場の置き配サービスは、サイト内で商品の決済を完了させることで受け取る手間をなくせます。平日は自宅にいることが少ない顧客でも商品を受け取れるので、効率良く必要な物を手に入れられます。
配送業者も不在票を投函して再配達する必要がないことから、効率性の高さは良いメリットとなっているのです。
3.非対面で商品を受け取れる

置き配は指定場所に商品を置いてもらえるため、配送業者と顧客が対面する必要はありません。非対面で商品を受け取ることで、配送業者との接触を減らしてコロナ対策にもなります。
実際に佐川急便やヤマト運輸は、コロナ対策として置き配のサービスを推奨しています。置き配であれば、配送業者が自宅のチャイムを鳴らして犬が吠えたり乳幼児が起きたりといった問題も発生しなくなります。
現在では67.3%の置き配利用率となっているため、今後も顧客にとってメリットは大きくなっていくでしょう。
置き配を利用する3つのデメリット
置き配を利用することで、以下のような3つのデメリットもあります。
盗難のリスクがある
商品が汚れる可能性もある
誤配送のリスクがある
良い点だけでなく、悪い点も理解したうえで利用を検討しましょう。
1.盗難のリスクがある

置き配は商品が置かれたままになっているため、受取人がチェックするまでは放置された状態になります。複数の住宅が集まったエリアや人通りが少ないエリアでは、商品が盗難されるリスクが高いです。
とくに置き配で玄関を指定すると、商品が目立って置かれているので盗難にあう可能性も高くなります。Amazonや楽天市場は商品の紛失が発生した場合、商品の再送や返金の対応が可能です。
しかし、盗難被害を防ぐためにも、置き配サービスを利用するときは安全な場所を指定するようにしておきましょう。
2.商品が汚れる可能性もある
置き配の指定場所によっては、商品が雨や土などで汚れる可能性があります。基本的に商品はダンボールで包装されているため、水分を含んでしまうと中の商品が汚れてしまいます。
商品が汚れると顧客満足度が低下する原因にもなるので、EC通販事業者や配送会社は宅配ボックスの設置を推奨する必要があります。
また、顧客側も高級な商品を購入するときは、一般配送を選択したり汚れない場所を指定したりすることが大切です。
3.誤配送のリスクがある
置き配のサービスは対面で受取人の名前を確認しないため、誤配送のリスクがあります。配送業者だけでなくEC通販事業者が間違える恐れがあるので、誤って違う場所に商品を発送してしまう可能性も高いです。
商品を再送するには時間がかかることから、顧客満足度を低下させる原因にもなってしまいます。
顧客からの信用を維持するためにも、EC通販事業者や配送業者は誤配送が発生したときの対応方法を決めておかなくてはいけません。
置き配に対応したECサイト

置き配に対応したECサイトとして「Amazon」と「楽天市場」の2つがあります。
どのような置き配サービスを提供しているのか説明するので、ぜひ参考にご覧ください。
Amazon
Amazonは、商品の購入手続きから「置き配オプション」を選択できます。お届け先住所・指定日時を合わせて選択できるため、設定を終えれば完了報告を送ります。
Amazonから確認メールが届き、顧客は内容に問題がないかチェックします。商品の発送後には、Amazonアプリからお知らせメールやプッシュ通知が届く流れです。
商品の発送後は、Amazonのマイページから配送状況を確認できます。配達が完了されると、写真付きのメッセージが送られてくるので問題がなければ完了となります。
配送状況の画面から「お届け済み」になっていても商品が届かないときは、商品の再送や返金が可能です。
楽天市場
楽天市場は、日本郵便の置き配サービスを利用できます。顧客が商品を購入後、購入履歴の「日時・場所の変更を依頼」から置き配の申し込みができます。
配達先情報入力画面に「ご自宅等の指定場所への配達」が記載されているため、受取方法で「置き配」を選択して「置き配希望場所」の項目にチェックを入れれば完了です。
初回配達前の配送方法の変更は1回のみとなっているので、申し込み後は変更ができません。
置き配を利用できる配送業者

置き配を利用できる配送業者は、以下の3社です。
佐川急便
ヤマト運輸
日本郵便
各配送業者のサービスについて詳しく解説します。
佐川急便
佐川急便は、個別契約をした事業者から出荷される商品を置き配として対応できます。
配達は、配送業者が配達状況を撮影して受取人に送信する流れです。
飛脚ジャストタイム便、飛脚宅配便、飛脚航空便が対象となります。
ヤマト運輸
ヤマト運輸は、独自の置き配サービス「EAZY」を提供しています。Amazonをはじめ、Yahoo!ショッピング、メルカリなどに対応可能です。
商品の購入後、ヤマト運輸から送信されたメール・LINEから配達日時・配達方法を指定できます。悪天候や受け取り場所による問題が発生した場合、置き配を指定できないこともあります。
日本郵便
日本郵便は、ゆうパック・レターパックプラス、国際郵便物などを置き配として配達できます。
置き配条件は、受取人の住所・建物が同一であること、郵便物に事故のおそれがないこと、雨などで汚れる心配がない場所であることです。
自宅に置き配バッグを設置している場合、日本郵便の置き配を利用できます。
まとめ
今回は、置き配の詳細からサービスを利用するメリット・デメリット、置き配の流れや対応したECサイト・配送業者を詳しく解説しました。置き配とは顧客が指定した日時・場所に非対面で商品を届けられるサービスとなっており、顧客・EC通販事業者、配送業者にとって大きなメリットがあります。
商品の再配達をする必要もなくなるため、効率良く顧客に届けられるようになります。
ただし、置き配を利用するときは盗難のリスクや商品が汚れる可能性、誤配送のリスクなどを考慮しておかなくてはいけません。置き配はこれから主流なサービスとなるので、利便性の高さを重視したい方はぜひ利用を検討してください。

