
TMSとは?機能・導入メリット・WMSや配車システムとの違いを解説
物流業務では、倉庫内の在庫管理や出荷作業だけでなく、出荷後の配送管理まで含めて効率化することが重要です。
配送計画の作成、配車、配送状況の確認、運賃管理などを支える仕組みとして活用されているのがTMSです。
この記事では、TMSの意味や主な機能、WMSや配車システムとの違い、導入メリット、選び方のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.TMSとは?
- 1.1.TMSの意味
- 1.2.TMSが管理する業務範囲
- 1.3.TMSが求められている理由
- 2.TMSでできること
- 2.1.配送計画の作成
- 2.2.配車管理
- 2.3.動態管理
- 2.4.運賃・輸送コスト管理
- 2.5.配送実績の可視化と分析
- 3.TMSとWMSの違い
- 3.1.WMSは倉庫管理を担う
- 3.2.TMSは輸配送管理を担う
- 3.3.倉庫から配送までをつなぐ運用の考え方
- 4.TMSと配車システムの違い
- 4.1.配車システムとは?
- 4.2.TMSとの違い
- 4.3.TMSに配車機能が含まれるケース
- 4.4.どちらを優先して導入すべきか
- 5.TMSを導入するメリット
- 5.1.配送状況をリアルタイムで把握しやすくなる
- 5.2.配車業務の属人化を防ぎやすい
- 5.3.輸配送コストの最適化につながる
- 5.4.配送品質の安定化に役立つ
- 6.TMS導入でよくある課題
- 7.TMSが向いている企業
- 7.1.配送件数が多い企業
- 7.2.配車担当者に業務が集中している企業
- 7.3.複数拠点・複数車両を運用している企業
- 7.4.配送品質を安定させたい企業
- 8.TMSを選ぶときのポイント
- 8.1.必要な配送管理機能があるか
- 8.2.動態管理や分析機能が充実しているか
- 8.3.既存システムと連携しやすいか
- 8.4.現場が使いやすい操作性か
- 9.TMS導入後に見直したいポイント
- 10.TMSとあわせてピックゴーを活用し、配送手配の選択肢を広げる
- 11.TMSに関するよくある質問
- 11.1.TMSとは簡単にいうと何ですか?
- 11.2.TMSとWMSの違いは何ですか?
- 11.3.TMSと配車システムは同じですか?
- 11.4.TMSはどんな企業に向いていますか?
- 12.まとめ
TMSとは?
TMSは、輸配送に関わる業務を管理・効率化するためのシステムです。物流全体のなかでも、倉庫から荷物が出たあとの配送領域を支える役割を持っています。
TMSの意味
TMSとは、Transportation Management Systemの略で、日本語では輸配送管理システムと呼ばれます。
配送計画の作成、車両やドライバーの手配、配送状況の確認、運賃や輸送コストの管理など、輸配送に関する業務を一元管理するための仕組みです。
TMSが管理する業務範囲
TMSが管理するのは、主に倉庫から荷物が出たあとの輸配送業務です。
たとえば、どの荷物をどの車両で運ぶか、どの順番で配送するか、配送が予定どおり進んでいるか、実際にどれくらいのコストがかかったかなどを管理します。
TMSが求められている理由
近年は、配送件数の増加、人手不足、燃料費の高騰、納品時間の細分化などにより、輸配送業務の負担が大きくなっています。
従来のように、担当者の経験や手作業だけで配送を管理する方法では、ミスや属人化が起こりやすくなります。そのため、配送業務を可視化し、効率的に運用するためにTMSの重要性が高まっています。
TMSでできること
TMSでは、配送に関わる複数の業務をまとめて管理できます。ここでは、代表的な機能を紹介します。
配送計画の作成
TMSでは、出荷情報や納品先、配送希望時間、車両条件などをもとに配送計画を作成できます。
配送ルートや積載効率を考慮しながら計画を立てられるため、無駄な走行や非効率な配送を減らしやすくなります。
配車管理
どの車両にどの荷物を割り当てるか、どのドライバーが担当するかといった配車業務を管理できます。
配車状況を一覧で確認できるため、担当者ごとの判断に偏りにくく、業務の標準化にもつながります。
動態管理
動態管理とは、車両やドライバーの現在位置、配送状況をリアルタイムに把握する機能です。
配送遅延やトラブルが発生した際も、状況を早く確認できるため、顧客や関係部署への連絡もスムーズになります。
運賃・輸送コスト管理
TMSでは、配送ごとの運賃や燃料費、委託費などの輸送コストを管理できます。
コストの内訳を把握することで、配送ルートの見直しや委託先の選定、料金交渉などにも活用しやすくなります。
配送実績の可視化と分析
配送件数、配送時間、遅延率、車両稼働率、配送コストなどの実績をデータとして確認できます。
感覚ではなく数値で振り返ることで、改善すべきポイントを見つけやすくなります。
TMSとWMSの違い

TMSと混同されやすいシステムにWMSがあります。どちらも物流業務を支えるシステムですが、管理する領域が異なります。
WMSは倉庫管理を担う
WMSとは、Warehouse Management Systemの略で、倉庫管理システムを指します。
入荷、検品、保管、ピッキング、梱包、出荷など、倉庫内の作業を管理するためのシステムです。
▹WMSとは?機能・導入メリット・在庫管理システムとの違いを解説
TMSは輸配送管理を担う
TMSは、倉庫から出荷されたあとの配送計画や配車、配送進捗、運賃管理などを担います。
つまり、WMSが倉庫内を管理するのに対し、TMSは倉庫外の輸配送を管理するシステムです。
倉庫から配送までをつなぐ運用の考え方
物流業務を効率化するには、WMSとTMSを別々に考えるだけでは不十分です。
倉庫で出荷準備が整っても、配送手配や配車が追いつかなければ、納品遅延や現場負荷につながります。倉庫内の作業と配送手配を連携させ、出荷から納品までを一連の流れとして設計することが大切です。
TMSと配車システムの違い
TMSと配車システムは近い領域を扱うため、違いがわかりにくい場合があります。両者は重なる部分もありますが、役割には違いがあります。
配車システムとは?
配車システムとは、車両やドライバーに対して配送案件を割り当てる業務を支援するシステムです。
車両の空き状況、配送先、時間指定、積載量などをもとに、効率的な配車を行うために使われます。
▹配車システムとは?機能・導入メリット・選び方をわかりやすく解説
TMSとの違い
配車システムは、主に配車業務に特化したシステムです。
一方でTMSは、配車だけでなく、配送計画、動態管理、運賃管理、配送実績の分析など、輸配送全体を管理する役割を持ちます。
TMSに配車機能が含まれるケース
TMSのなかには、配車機能を含んでいるものもあります。
その場合、配送計画の作成から車両の割り当て、配送状況の確認、実績分析までを一つのシステム上で管理できます。
どちらを優先して導入すべきか
配車業務だけに課題がある場合は、配車システムから導入する方法もあります。
一方で、配送コストの可視化、配送品質の改善、複数拠点の配送管理まで見直したい場合は、TMSの導入を検討するとよいでしょう。
TMSを導入するメリット
TMSを導入することで、配送業務の見える化や効率化が進みやすくなります。ここでは、主なメリットを紹介します。
配送状況をリアルタイムで把握しやすくなる
TMSを活用すると、車両の位置や配送進捗を確認しやすくなります。
配送状況が見えることで、遅延やトラブルが発生した際も早めに対応でき、顧客への案内もしやすくなります。
配車業務の属人化を防ぎやすい
配車業務は、担当者の経験や勘に頼りやすい業務です。
TMSで配車ルールや実績を可視化することで、特定の担当者に依存しにくい運用を作りやすくなります。
輸配送コストの最適化につながる
配送ルートや積載率、車両稼働率を見直すことで、輸配送コストの削減につながる可能性があります。
特に配送件数が多い企業では、小さな改善の積み重ねが大きなコスト差になります。
配送品質の安定化に役立つ
配送状況や実績を管理できるようになると、遅延や誤配送などの課題を把握しやすくなります。
その結果、配送品質のばらつきを抑え、安定した納品体制を作りやすくなります。
TMS導入でよくある課題
TMSは便利なシステムですが、導入すればすぐにすべての課題が解決するわけではありません。現場に合わせた運用設計が重要です。
現場オペレーションとのすり合わせが必要になる
システム上では効率的に見える運用でも、現場では対応しにくい場合があります。
積み込み時間、ドライバーの待機時間、納品先ごとのルールなど、現場の実態を踏まえて設計することが大切です。
ドライバーや委託先との連携設計が重要になる
配送業務では、自社の担当者だけでなく、ドライバーや委託先との連携も欠かせません。
情報共有の方法や連絡ルールを整えておかないと、システムを導入しても現場で混乱が起きることがあります。
既存システムとの連携に手間がかかる
受注管理システム、WMS、基幹システムなどと連携する場合、データ項目や運用ルールの整理が必要です。
導入前に、どの情報をどのタイミングで連携するのかを確認しておきましょう。
運用ルールを整えないと定着しにくい
TMSを導入しても、入力ルールや確認フローが曖昧なままだと、現場に定着しにくくなります。
誰が、いつ、どの情報を登録・確認するのかを明確にすることが重要です。
TMSが向いている企業
TMSは、配送業務の負担が大きい企業や、配送品質を改善したい企業に向いています。
配送件数が多い企業
日々の配送件数が多い企業では、配送計画や配車の負担が大きくなります。
TMSを活用することで、配送状況や実績を管理しやすくなり、業務効率化につながります。
配車担当者に業務が集中している企業
特定の担当者だけが配車ルールや委託先情報を把握している状態は、業務リスクにつながります。
TMSで情報を共有できるようにすれば、担当者不在時の対応もしやすくなります。
複数拠点・複数車両を運用している企業
複数の拠点や車両を管理している企業では、配送状況の把握が複雑になりがちです。
TMSを使うことで、拠点ごとの配送状況や車両稼働状況を一元管理しやすくなります。
配送品質を安定させたい企業
配送遅延や対応品質のばらつきに課題がある企業にも、TMSは向いています。
実績を可視化することで、改善すべき配送ルートや委託先、運用ルールを見直しやすくなります。
TMSを選ぶときのポイント
TMSを選ぶ際は、機能の多さだけでなく、自社の配送業務に合っているかを確認することが大切です。
必要な配送管理機能があるか
まずは、自社が管理したい業務に対応しているかを確認しましょう。
配送計画、配車、動態管理、運賃管理、実績分析など、必要な機能を整理したうえで比較することが重要です。
動態管理や分析機能が充実しているか
配送状況をリアルタイムで確認したい場合は、動態管理機能の使いやすさが重要です。
また、配送実績を改善に活かしたい場合は、分析機能やレポート機能も確認しておきましょう。
既存システムと連携しやすいか
WMSや受注管理システムなど、既存システムと連携できるかも重要なポイントです。
連携がうまくできれば、手入力の手間や転記ミスを減らしやすくなります。
現場が使いやすい操作性か
TMSは、管理部門だけでなく、現場担当者や配車担当者が日常的に使うシステムです。
画面がわかりやすいか、入力しやすいか、必要な情報をすぐ確認できるかなど、現場目線で確認しましょう。
TMS導入後に見直したいポイント
TMSは導入して終わりではなく、運用しながら改善していくことが大切です。導入後に見直したいポイントを紹介します。
配送ルートと配車ルールを標準化する
配送ルートや配車判断が担当者ごとに異なると、効率や品質にばらつきが出やすくなります。
TMSのデータを活用しながら、標準ルートや配車ルールを整えていきましょう。
KPIを設定して改善サイクルを回す
配送コスト、遅延率、車両稼働率、積載率、配送件数など、見るべき指標を決めることが重要です。
KPIを設定することで、改善の成果を確認しやすくなります。
緊急配送や波動対応の運用を整える
通常配送だけでなく、急な出荷増加や緊急配送への対応も重要です。
TMSで通常配送を整えたうえで、突発的な配送手配に対応できる体制を持っておくと、物流全体の安定につながります。
TMSとあわせてピックゴーを活用し、配送手配の選択肢を広げる
TMSを導入すると、通常配送の計画や進捗管理はしやすくなります。
一方で、急な出荷増加や当日中の配送、予定外の配送依頼など、日々の物流現場ではシステム上の計画だけでは対応しきれない場面もあります。
そのようなときに備えて、TMSによる配送管理とあわせて、必要なタイミングで配送を手配できる手段を持っておくことが大切です。
急な配送や波動対応にはピックゴーが活用できる
ピックゴーは、荷物を送りたい企業と配送パートナーをつなぐ配送プラットフォームです。
緊急配送や当日配送、急な物量増加への対応など、通常の配送計画だけではカバーしにくい場面で活用できます。配送手配の選択肢を増やしておくことで、突発的な依頼にも対応しやすくなり、配送遅延や機会損失の防止にもつながります。
TMSで日々の配送状況を管理しながら、必要に応じてピックゴーで配送を手配することで、より柔軟な物流体制を整えやすくなります。
アカウント登録をしておくと、必要なときに配送依頼を始めやすい
急な配送が発生してから手配方法を探すと、対応に時間がかかってしまうことがあります。
そのため、あらかじめピックゴーのアカウント登録を済ませておくと、緊急配送や追加配送が必要になった際にもスムーズに依頼しやすくなります。
配送手配の選択肢を増やしておきたい方は、まずはピックゴーのアカウント登録から始めてみてください。
TMSに関するよくある質問
最後に、TMSについてよくある質問をまとめます。
TMSとは簡単にいうと何ですか?
TMSとは、配送計画や配車、配送状況、運賃、配送実績などを管理する輸配送管理システムです。
倉庫から出荷されたあとの配送業務を効率化・可視化するために使われます。
TMSとWMSの違いは何ですか?
WMSは、入荷、保管、ピッキング、出荷などの倉庫内業務を管理するシステムです。
TMSは、出荷後の配送計画や配車、配送進捗、運賃管理などを管理するシステムです。
TMSと配車システムは同じですか?
完全に同じではありません。
配車システムは主に車両やドライバーの割り当てを支援するシステムです。一方、TMSは配車を含めた輸配送全体を管理するシステムです。
TMSはどんな企業に向いていますか?
配送件数が多い企業、配車業務が属人化している企業、複数拠点や複数車両を運用している企業、配送品質を安定させたい企業に向いています。
まとめ
TMSは、配送計画、配車、動態管理、運賃管理、配送実績の分析など、輸配送に関する業務を管理するシステムです。
WMSが倉庫内の管理を担うのに対し、TMSは倉庫から出荷されたあとの配送管理を担います。
また、配車システムが配車業務に特化しているのに対し、TMSは輸配送全体を広く管理する点が特徴です。
配送業務を効率化するには、システムの導入だけでなく、現場オペレーションや委託先との連携、緊急配送への対応まで含めて運用を整えることが大切です。
通常配送の管理をTMSで整えながら、急な配送や波動対応にはピックゴーのような配送プラットフォームを活用することで、より柔軟で安定した物流体制を構築しやすくなります。

