
運送会社の収益改善12選|利益が残る「粗利設計」と実車率アップの実務(一般貨物向け)
目次[非表示]
- 1.1. 収益改善の結論:利益は「便別粗利」で決まる
- 2.2. 最初に揃えるべきKPI(まずはこの5つで十分)
- 3.3. 便別粗利テンプレ(コピペ可・最低限版)
- 4.4. モデルケース:待機45分が利益を削る実例
- 5.5. 運送会社の収益改善12選(優先順位順)
- 5.1.① 便別粗利で赤字便を潰す【最優先】
- 5.2.② 待機時間を削る【見えない原価対策】
- 5.3.③ 附帯作業を見積条件に固定する
- 5.4.④ 空車回送を減らす(実車率アップ)
- 5.5.⑤ スポット便で稼働の波を埋める【即効性】
- 5.6.⑥ 運賃交渉を「型」で進める
- 5.7.⑦ 燃料費を便単位で管理する
- 5.8.⑧ 配車ルールを明文化する
- 5.9.⑨ 協力会社ネットワークを最適化
- 5.10.⑩ 積載率を上げる(混載・共同配送)
- 5.11.⑪ 事故・クレームを減らす
- 5.12.⑫ 売上依存を分散する
- 6.6. 収益改善チェックリスト(毎週確認)
- 7.7. 収益改善の最後の壁:「急な空車」
- 8.空車が出た日の「埋め札」として:ピックゴー(運送会社向け)
燃料費・人件費の上昇、待機時間の増加、空車回送の常態化。
「売上はあるのに利益が残らない」と感じる一般貨物の運送会社は少なくありません。
収益改善は、気合いや営業力だけで解決しません。ポイントはシンプルで、
粗利が出ない“原因”を数値で分解し、優先順位通りに手を打つこと。
さらに、現場で必ず起こる「急な空車」「繁閑差」を吸収するために、
案件獲得の導線(埋め札)を持つことです。
この記事では、運送会社の収益改善を「今日から実装できる手順」に落として解説します。
1. 収益改善の結論:利益は「便別粗利」で決まる
運送会社の利益は、次の式で考えると整理できます。
▹便別粗利 = 運賃(売上) −(燃料+人件費+高速+待機+空車回送+附帯作業+その他)
売上が高い便=儲かる便、ではありません。
待機・空車回送・附帯作業が多い便は、確実に粗利を削ります。
2. 最初に揃えるべきKPI(まずはこの5つで十分)
便別粗利(車両別・荷主別)
実車率(有償走行比率)
空車回送km(便ごと)
待機時間(拘束のうち走っていない時間)
附帯作業の発生回数(検品・仕分け・横持ち等)
3. 便別粗利テンプレ(コピペ可・最低限版)
便別粗利シート項目
日付
車両
荷主
区間
売上(運賃)
実車km
空車km
拘束時間(h)
待機時間(h)
高速代
附帯作業(有/無・内容)
粗利(円)
粗利率(%)
運用ルール
粗利下位10便を出す
原因タグ(待機/空車回送/附帯/時間指定)を付ける
上位3便だけ改善する
4. モデルケース:待機45分が利益を削る実例
待機:45分(0.75h)
ドライバー原価:2,000円/時
発生頻度:週10本
試算
1本あたり:1,500円
週:15,000円
月:約60,000円
少額でも積み上がると、確実に利益を削ります。
5. 運送会社の収益改善12選(優先順位順)
① 便別粗利で赤字便を潰す【最優先】
粗利下位10便を抽出
原因別に分類
「値上げ交渉/条件変更/撤退」の3択で判断
② 待機時間を削る【見えない原価対策】
荷主への依頼テンプレ
受付時間調整
「待機が発生しているため、受付時間を±30分の幅でご相談できないでしょうか。」待機超過時
「待機が◯分を超えるため、条件整理または費用反映をご相談させてください。」
③ 附帯作業を見積条件に固定する
見積条件文例
「検品・仕分け・横持ち等の附帯作業がある場合は、事前共有をお願いします。」
④ 空車回送を減らす(実車率アップ)
空車回送km上位10便を抽出
復路前提の運行設計
行き先・組み替えの検討
⑤ スポット便で稼働の波を埋める【即効性】
運用の型
朝:空車枠確定
昼:条件合致案件のみ対応
夕:翌日の穴を先に埋める
⑥ 運賃交渉を「型」で進める
交渉テンプレ
燃料高騰
「燃料費上昇により原価が増加しています。運賃見直しをご相談ください。」待機増
「待機が増えているため、条件整理または費用反映をご相談します。」
⑦ 燃料費を便単位で管理する
燃費が悪い便を特定
ルート・運転方法を是正
⑧ 配車ルールを明文化する
待機上限を決める
条件未確定案件は受けない
粗利ライン未満は原則NG
⑨ 協力会社ネットワークを最適化
繁忙期:逃がす
閑散期:受ける
⑩ 積載率を上げる(混載・共同配送)
混載OK条件を先に定義
荷姿・時間帯を明確に
⑪ 事故・クレームを減らす
再配達・やり直しを削減
利益漏れを防ぐ
⑫ 売上依存を分散する
定期便+スポット便の組み合わせ
特定荷主への依存を下げる
▹トラックの空車対策7選|空車回送を減らして「利益が残る運行」に変える実践ガイド(一般貨物向け)
6. 収益改善チェックリスト(毎週確認)
便別粗利を見ている
待機30分超が把握できている
附帯作業が条件化されている
空車回送上位便が特定できている
受ける/断る基準がある
空車を埋める導線がある
7. 収益改善の最後の壁:「急な空車」
どれだけ改善しても、
キャンセル・繁閑差・片荷は必ず発生します。
だからこそ、空車が出た日に条件に合う案件へアクセスできる導線を持つことが重要です。
空車が出た日の「埋め札」として:ピックゴー(運送会社向け)
ピックゴーでは、運送会社向けにパートナー登録を行うことで、
車格・エリアに応じた案件獲得の選択肢を持つことができます。
まずは登録して、
自社で対応可能な案件がどれくらいあるかを確認してみてください。

