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倉庫業とは?主な仕事内容や業態の種類、法律で定められた運営の条件

こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。


ネットショッピングの普及などにより物流業界全体でサービスの複雑化や高度化が進んでおり、倉庫業の重要性が増しています。保管や検品、入庫といった基本的な業務以外にも、商品の加工や輸配送まで行う事業者も少なくありません。


今回は、倉庫業の主なサービス内容や業態の種類などをご紹介します。倉庫業者として登録申請を行う際の諸条件についても解説しますので、自社倉庫の運営にぜひお役立てください。


目次[非表示]

  1. 1.倉庫業の基礎知識
    1. 1.1.倉庫業(営業倉庫)とは?
    2. 1.2.倉庫業の主な仕事内容
  2. 2.倉庫業の主な種類
    1. 2.1.普通倉庫業
    2. 2.2.水面倉庫業
    3. 2.3.冷蔵倉庫業
  3. 3.倉庫業を営む際に知っておくべき「倉庫業法」のポイント
    1. 3.1.倉庫業法とは?
    2. 3.2.倉庫業を運営するための条件
  4. 4.倉庫業法の理解を深めサービス提供に役立てよう


倉庫業の基礎知識

物流倉庫では、あらゆる物品が小売店や消費者へ配送されるまで保管されています。ここでは、そんな物流倉庫を営む倉庫業の概要やサービス内容をご紹介します。


倉庫業(営業倉庫)とは?

倉庫業とは、荷主から寄託された荷物を倉庫で保管することで対価を得る営業形態を指します。かつては許可制の営業でしたが、法改正によって現在は登録制に変更されました。開業には、各地方の運輸局での申請や倉庫寄託約款の届出が必要です。また、保管業務だけでなく物品の輸配送や流通加工まで行う事業者が多く、国民生活の基盤を支える業務といえます。


倉庫業の主な仕事内容

  • 検品、入庫

届いた貨物に間違いや傷などがないか確認(検品)し、保管場所に移動(入庫)する作業です。在庫切れを起こさないためには、入荷した商品数や在庫状況を適切に把握する必要があります。マテハン機器を活用することで業務の効率化や省力化が可能です。マテハンとは、「マテリアルハンドリング」の略で、工場や倉庫などでのモノの移動・保管に関わる取り扱い全般を指します。


  • 保管

保管は、荷物に適した保存条件を整え、物品を管理する業務です。例えば、食品であれば温度や湿度を調整したり、危険品の場合は数量を考慮したりします。倉庫業の中心的な業務といえます。


  • 流通加工

流通加工は、商品の価値を高めるための工程全般を指します。具体的には、食品の二次加工、値札付け、包装、修繕などが該当します。


  • ピッキング

ピッキングは、出荷指示に基づいて保管場所から対象の商品を取り出す作業です。ピッキングロボットやハンディターミナルなど、マテハン機器が使用されることも多いのが特徴です。


  • 仕分け、荷揃え

取り出した商品を配送ルートや配送先ごとに分類(仕分け)し、出荷作業を行う場所に集める(荷揃え)作業のこと。同時に、ピッキングにミスがないかについてもチェックします。


  • 出庫

出庫は、トラックに荷物を積み込み、指定した時間に発送する業務です。自社に配送部門がない場合は、外部の配送業者に依頼します。


倉庫業の主な種類



倉庫業にはさまざまな種類があります。ここでは、それぞれの特徴や対応している物品の内容などを解説します。


普通倉庫業

普通倉庫業は、倉庫業の中でもっとも一般的な業態です。保管対象とする業種や貨物は、農業、鉱業、製造業、消費者の財産の主に4種類です。また、普通倉庫業はさらに7つに大別され、種類ごとに建築準法やその他の規定への適合が求められます。


  • 1〜3類倉庫

建屋型の倉庫で、構造や設備の基準に応じて3つのグレードに分類されます。1類倉庫は防火・耐火・防湿性能が高く、冷蔵倉庫や危険品倉庫での保管が義務付けられているものを除く幅広い物品を保管可能です。2類倉庫は防火・耐火性能が不要となるため、燃えにくい荷物が保管されます。3類倉庫では防水・防湿性能も不要となり、湿気に強く燃えにくい物品を保管します。


  • 貯蔵槽倉庫

一般的にサイロやタンクと呼ばれる倉庫です。大麦や糖蜜など、倉庫業法施行規則で第6類物品に分類されるものを保管します。


  • 野積倉庫

木材や自動車など、法律で第4類物品に該当する品物を保管する倉庫です。建物ではなく、塀や柵で囲まれた特定のエリアを指します。


  • 危険品倉庫

第7類物品を保管する倉庫です。具体的には高圧ガスや液化石油ガスなどを保管しており、取り扱いには関係法令の規定を満たす必要があります。


  • トランクルーム

美術品や自動車など、個人の財産を保管するための倉庫のこと。温度・湿度管理の有無や換気性能など、倉庫によって保管環境に違いが生まれやすいのが特徴です。トランクルームのうち一定の性能を有するとして国土交通大臣の認定を受けたものを、「認定トランクルーム」と呼びます。


水面倉庫業

水面倉庫業は、原木の保管を主な業務とする倉庫業です。原木が乾燥して割れてしまうのを防止するため、山で切り出した原木を水に浮かべて保管します。


冷蔵倉庫業

冷蔵倉庫は、10度以下で冷蔵・冷凍保存する物品を扱う倉庫業です。具体的には、冷凍食品や水産物、畜産物、農産品などを保管します。保管する物品に応じて細かく温度調整を行う必要があります。


倉庫業を営む際に知っておくべき「倉庫業法」のポイント



倉庫業の運営には倉庫業法の理解が欠かせません。ここでは、倉庫業法の基本的な内容や営業倉庫を運営するための要件などをお伝えします。


倉庫業法とは?

倉庫業法とは、「倉庫業の適正な運営を確保し、倉庫の利用者の利益を保護するとともに、倉荷証券の円滑な流通を確保すること」を目的に制定された法律です。荷主の利益確保とトラブル防止が主な役割であり、倉庫業者には荷物の保管責任を課しています。また、倉庫業法は倉庫業を営む場合に適用される法律のため営業倉庫のみが対象であり、自家用倉庫には適用されません。

【出典】e-Gov法令検索「倉庫業法」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=331AC0000000121_20190401_430AC0000000029


倉庫業を運営するための条件

倉庫業を営むには、必要書類を運輸局に提出し登録申請をする必要があります。無認可・無許可での営業は禁止されており、違反すると罰金や懲役などの刑罰を科せられる可能性があります。また、登録を受けるには安全基準など倉庫業法に定められた諸条件を満たさなければなりません。以下ではその内容をご紹介します。なお、ロッカーなど外出時の携帯品の一時保管や、銀行の貸金庫、クリーニングのように特定の役務(洗濯や修理等)に付随して物品を保管する場合などは倉庫業にあたらないとされています。


  • 申請者が欠格事由に該当しない

申請者が次の欠格事由に該当する場合、倉庫業の開業はできません。


・2年以内に倉庫業の登録取り消しを受けている
・2年以内に1年以上の懲役・禁錮の刑に処せられている

法人が倉庫業の登録を申請する場合は、取締役や監査役などの役員が欠格事由に該当していないことが求められます。


  • 建物が施設設備基準を満たしている

登録申請には、倉庫業を営む予定の建物が一定の設備基準に適合している必要があります。建築基準法に基づく建築確認申請や、消防法に基づいた消防設備の完備、倉庫業法における施設の外壁や床の強度、耐火・防火性能など一定の基準が求められます。設備基準の内容は倉庫の種類によって異なります。例えば1類倉庫の場合は、災害防止措置や消火設備の設置などが必要です。


  • 倉庫管理主任者を選任している

営業倉庫の開業には原則、倉庫1つに1人の倉庫管理主任者を選任しなければなりません。倉庫管理主任者には実務経験の要件などが設けられており、上述の欠格事由に該当しないことも必要です。


倉庫業法の理解を深めサービス提供に役立てよう

今回は、倉庫業の基本的な知識や倉庫の種類、法律での規制内容について解説しました。倉庫業は、国民生活を根本から支える公共性の高い産業です。倉庫業法の適切な理解と順守を徹底し、質の高いサービスを提供しましょう。


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