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SKUとは?アイテムとの違い、管理時のメリット・デメリットをご紹介!


こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。


ECサイトやアパレルなど多様な商品を取り扱う店舗では、詳細な商品管理が求められます。「Tシャツ」「スカート」といった品目での大まかな管理では、発注ミスや在庫切れ、売れ筋商品の把握不足などが発生するためです。

そこで理解していただきたいのが「SKU」(エス・ケー・ユー)という考え方。今回は、SKUの意味やアイテムとの違い、商品管理に導入するメリット・デメリットなどをご紹介します。物流設計の見直しをご検討の際は、ぜひご一読ください。

 

SKUとは?


物流現場で耳にする機会の多いSKUという言葉。物流を設計する場合は、SKU数の把握が重要です。まずはSKUの意味やアイテムとの違いなどを解説します。

 

SKUの意味

SKUとはストック・キーピング・ユニット(Stock Keeping Unit)の略称で、受発注・在庫管理における最小の管理単位を表す物流用語です。「最小の管理単位」というと難しく聞こえますが、「全く同じ商品としてお客さまに販売できるモノ」の数え方ということです。これ以上細かくできない単位まで分類して管理することで、売上や在庫を把握しやすくなります。

多くのメーカーや小売業界では、アイテム単位ではなくSKU単位で在庫管理を行っています。1SKU、2SKUのように数量の単位として用いるのが通常です。

 

SKUとアイテムの違い

アイテムは商品の種類を指し、SKUはサイズ・カラー・内容量などで同一商品の違いを細かく分けたものを表します。

例えば同じ形・デザインのTシャツ1つに対してサイズが3種類あり、それぞれにカラーバリエーションが2種類ある場合、アイテムの数は1ですがSKUで換算すると3×2=6SKUとなります。

また同じ商品であっても、内容量やセットの組み方が異なると別のSKUとして扱う場合が多いです。たとえば同じ味のドリンクが350ml、500mlの2種類あり、さらに売り方も単品と24本セットのバリエーションがある場合、SKU換算では2x2=4SKUとなります。

SKUで在庫管理される理由

どのアイテムのどんなタイプが売れているか、売れ筋を詳細に把握できるため、売上の正確な分析が可能です。消費者のニーズを的確にとらえることで、次の施策へとつなげて売上向上を目指せます。

また発注時に商品を簡単に区別できるため、誤出荷が発生しにくくなります。作業を効率化し、生産性を上げられると言えるでしょう。

 

SKU管理をしている業界

在庫の管理、また売上の分析にも活用できるSKUという単位ですが、どのような業界で使われることが多いかご紹介します。

アパレル…ファッションのアイテムにおいて、前述した通り同じ品番のTシャツであっても色・サイズごとの管理が必要になります。また季節ごとに多くの商品が入れ替わるという特徴もあり、莫大な数のアイテムを適切に流通・管理するためにもSKUの導入は必要不可欠です。

 

食料品…消費期限や容量・サイズによって同一商品でも多数のバリエーションがある食品業界においてもSKUの存在は非常に重要です。また参考までに、取り扱いSKUの平均値としてコンビニでは約3000SKU、スーパーマーケットでは約1万SKU、デパートでは100万SKUにも上ると言われます。

 

医薬品…人命に関わることから、厳しいコンプライアンスのある製薬業界の物流においてもSKUは重視されています。短い納品リードタイム、大量かつ小さいサイズの商品を取り扱ううえでSKUは不可欠と言えるでしょう。

 

SKUの数え方の設定方法

SKUによる在庫管理を効率化するには、商品管理や販売の方法に応じて数え方の設定を変更する必要があります。ここではSKUの基本的な設定方法や迷いがちなケースをご紹介します。

 

SKUの基本的な設定方法

SKUは、メーカーなどが自ら設定可能です。次のような商品は、在庫管理時にSKUを区別することが良いとされています。

  • 色やサイズが異なるもの

  • 内容量が異なるもの

  • 包装形態が異なるもの

  • 等級が異なるもの

  • セット商品で中身が異なるもの

逆にSKUをまとめたほうが良い場合には、最初からセット売りしている商品などが挙げられます。例えば5個セットになったお菓子は、バラ売りしていなければセットで1SKUとして管理すると効率的です。

 

迷いがちなSKUのパターン

  • 一時的な増量キャンペーン中のもの

内容量が異なる商品は、SKUを分けるのが通常です。ただし、一時的な増量キャンペーンの場合、メーカーによっては内容量の変更後も同一の商品識別コード(JANコード)を使用しており同じSKUとして扱う場合があります。一般的にSKUの管理はJANコードで行われます。ECサイトなどの場合、内容量に違いがあることでクレームにつながるおそれがあるため注意が必要です。

 
  • パッケージのデザインだけが異なるもの

パッケージのデザインのみに違いがある場合は、JANコードで判断するのが基本です。JANコードが同じであればパッケージの異なる商品も1SKUとして扱います。ただし、パッケージのデザインで訴求している場合には、SKUを区別するのが良いでしょう。例えばアニメやキャラクターとのコラボ商品で、パッケージを変更しているケースなどが該当します。

 
  • セット売りとバラ売りのいずれもあるもの

セット売りとバラ売りの両方がある商品は、一般的にSKUを区別して取り扱います。例えばペットボトル飲料などが代表的です。500ml24本入りのケースとバラ売りの1本は、別のSKUで管理されます。

 

SKUのメリット・デメリット

最後に、在庫管理にSKUを取り入れるメリット・デメリットを解説します。SKUで受発注や商品管理を行う場合は、メリットを生かしつつデメリットをカバーできるのが理想的です。

SKUのメリット

  • 在庫ロスを発生させにくい

SKUを活用するとリアルタイムで色・サイズ別の在庫を細かく把握できるため、商品管理の効率化につながるのがメリットです。在庫追加時に余計なものを発注したり、必要なものが足りなかったりする事態を防げます。また商品のリニューアル時には新旧の商品を同一のSKUにしておくことで、切り替え時の在庫ロスを防止できます。

 
  • 多くの商品を扱えるようになる

SKUを導入することで機械的に商品を管理できるようになり、豊富な品揃えを実現しやすくなります。特にECサイトでは商品の品揃えとスピーディーな発送が求められるため、SKUによる効率的な商品管理のメリットが大きいといえます。

 
  • 発注作業を効率化させやすい

SKUでは自社で共有しやすいルールを用いて商品を管理できるため、発注作業を効率化しやすいのも魅力です。例えばアパレル業界の場合、「TシャツはT」「コートはC」「スカートはS」、「赤はR」「黒はB」「白はW」とルール付けするだけで、「白のTシャツ」は「WT」と表現できます。これをデータ管理に取り入れることで機械的な発注を実現でき、ミスの削減や作業のシステム化に役立ちます。

 
  • 店舗での商品陳列がしやすくなる

SKUで商品を管理するとサイズや色ごとに「どの商品が倉庫にどれくらいあるか」を把握しやすくなるため、店舗での商品陳列がしやすくなります。陳列の負担が大きい、大型の店舗ほど効果を感じやすいといえるでしょう。

 

SKUのデメリット

  • コストがかかりやすい

SKUは、運用に必要な在庫管理システムやバーコードリーダー、POSレジの導入にコストがかかりやすい点がデメリットです。小規模の店舗には負担が大きいため、取り扱うアイテム数によっては無理にSKUを導入する必要はありません。少ないアイテム数であれば人力で管理することも可能です。

 
  • 管理に慣れるまでが難しい

SKUを設定して在庫管理や陳列などに活用するには、一定の運用ノウハウが必要です。導入直後はかえって業務効率が低下する可能性があるため、長期的な視点での運用が求められます。

 

SKUの理解を深めて商品管理の方法を見直そう


今回は、SKUとアイテムの違いや数え方、メリット・デメリットなどをお伝えしました。SKUによる商品管理は、物流における基本的な考え方です。多様な商品をシンプルに管理できるメリットがある一方、小規模な店舗では導入コストが負担になるケースもあります。取り扱う商品の種類や販売方法に応じて最適な管理方法を模索しましょう。

 

またSKUと切っても切り離せない作業「ピッキング」に関する記事はこちらからご覧いただけます。

ピッキングとは?ミスを防止して倉庫内の作業を効率的に進めるコツ

 

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