
トラックバースとは?ドライバーの長時間労働をもたらす問題と対策
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
ネットショッピングの普及や自宅待機の必要性などにより、トラック輸送の需要が急増しています。
その一方で、配送効率の悪化やドライバーの過酷な労働環境などの問題も浮き彫りになりました。
ITのシステムを活用した問題解決が急がれています。
物流に関連した事業を行っている方であれば誰もが耳にしたことがあるであろう物流用語が「トラックバース」です。
この「トラックバース」もさまざまな問題の原因として知られています。
こちらでは、「トラックバース」の問題と解決策についてお話しします。
トラックバースの基礎知識

トラックバースとは?
「トラックバース」とは、荷物の積み下ろしをするためトラックを駐停車しておくスペースのことです。
主に、倉庫や物流センターなどに設置されています。港湾内で船舶が安全に停泊できる場所である「バース(Berth)」が名前の由来です。
トラックバースのことも略して「バース」と呼ぶことがあります。
この他、「トラックヤード」という物流用語も一般的です。
トラックバースに対し、トラックヤードは貨物の積み替え作業が行われる敷地全体を指す言葉です。
トラックヤードにはさまざまな設備が含まれます。
トラックバースも、トラックヤードの設備の一つに含まれています。
トラックバースで起こる主な問題
トラックバースでは、積み下ろしのために多くのトラックが集中します。
そのため、待機時間の発生は避けられません。待機時間が長くなると、各トラックの配送効率が低下しやすくなります。
トラックバースにどれだけのトラックが集まるかは予測不可能なため、待機時間をドライバー側でコントロールすることはできません。
また、トラックバースにトラックが入りきらず、周辺部に滞留し渋滞を引き起こすこともあります。
これは、荷物の配送遅延を避けようとして、ドライバーが早めにトラックバースに到着するためです。
結果的に逆効果になるだけではなく、配送業者以外の車両に迷惑をかけてしまうこともあります。
さらに、トラックバースはトラックドライバーの長時間労働が起こる原因の一つとしても数えられています。
労働環境が悪化すると、ドライバーの人手不足につながると考えられます。
待機時間は最長で4~5時間に及ぶこともあるほか、休憩時間として扱われるケースや、結果的に生じた残業代が支払われないケースなどもあり、ドライバー不足に拍車をかけている状況です。
トラックバースで起こる問題の主な解決方法

トラックバースの予約受付システムが導入された倉庫を利用する
トラックバースの予約受付システムが導入された倉庫を利用すると、上述した問題の回避につながります。
利用時間を事前予約できるため、トラックが早めにトラックバースに到着しておく必要はありません。
倉庫により、予約方法は異なります。「運送会社・ドライバー側が予約を入れた後、倉庫側が予約を確認して承認する」「倉庫側が受け入れスケジュールを組み、運送会社・ドライバー側に知らせる」といった予約方法が代表的です。
必要情報をあらかじめ登録できるシステムであれば、トラックバースに到着した際に受付手続きも簡略化できます。
ドライバーと連携しやすい配車管理システムを導入する
配車管理システムの導入も、トラックバースの問題解決方法として有効です。
運送会社の管理者がトラックバースの状況を確認して、ドライバーに時間調整の連絡を取ることができます。
安全性を考慮すると、電話ではない手段で連携できるシステムが良いでしょう。
運転中の電話は事故につながりやすいほか、そもそも罰則が設けられています。
ドライバーからも連絡が取りやすいシステムが好ましいといえます。
チャットやメッセージ、ステータスなどの通知機能が搭載されたシステムが代表的です。
GPSで現在位置を動態管理できるシステムであれば、位置情報を確認した上での時間調整や変更が可能です。
顧客からの問い合わせにも柔軟に対応できます。
製品の物流を円滑にするためには、こうしたシステムを利用して配送を効率化する試みが重要です。
システムの導入はトラックバースの問題を解決するための鍵

物流倉庫や工場で荷物を受け取るためには、トラックバースに立ち寄ることが不可欠です。
しかし、荷待ち時間の発生や渋滞など、トラックバースに関する問題は少なくありません。
また、ドライバーに不要な負担をかけることになり、離職の原因にもなり得ます。
現在は、ITシステムのプラットフォームを利用することで、こうした問題を解決可能です。
実際に国土交通省も「物流総合効率化法」を制定し、効率的な配送の実現を推し進めています。
現在は一部の配送業者に導入されているのみですが、今後導入が進めば、日本の配送業が抱えるトラックバースの問題が少しずつ軽減されていくと考えられます。
他社と比較してスムーズな配送を実現するため、トラックバースの予約受付システム・配車管理システムの導入を検討してください。

