
EC物流とは?基本業務と現場が抱える主な課題、解決につながる方法
目次[非表示]
- 1.EC物流の基礎知識
- 1.1.EC物流とは?
- 1.2.EC物流の基本的な業務
- 2.EC物流業務の主な課題
- 2.1.ヒューマンエラーの発生
- 2.2.人手不足
- 2.3.物流コストの増大
- 3.EC物流における課題の解決方法
- 3.1.物流業務のアウトソーシングを検討する
- 3.2.クラウド型物流システムを導入する
- 3.3.業務の自動化・省人化を図る
- 4.EC物流の課題を把握し、解決策を現場に取り入れよう
こんにちは。物流に関する知識をまとめたメディア「ピックゴー物流コラム」編集部です。
インターネットやスマホの普及が進みネットショッピングが当たり前になったことで、EC物流の重要性が増しています。しかし、急激なEC市場の成長により現場ではさまざまな課題が生じており、対処できていないケースも少なくありません。
今回は、EC物流に関する基本的な知識や現場が抱える課題、解決につながる方法をご紹介します。物流業務の効率化や配送品質の向上にお困りの際はぜひ参考にしてください。
EC物流の基礎知識

ECサイトではインターネット上で注文を受け、商品を消費者の元へ配送します。配送時に遅延やミスが生じると顧客満足の低下につながる可能性もあり、ネットショップ運営の成功にはロジスティクスの理解が欠かせません。ここでは、EC物流の基本的な知識や業務内容をご紹介します。
EC物流とは?
EC物流とはECサイトの運営に必要な物流業務全般を意味し、通販物流とも呼ばれます。ECは「Electronic Commerce」の略語で、日本語では電子商取引と訳します。インターネット上での小売販売を指し、実店舗を持たずに日本全国の顧客をターゲットにできるのが特徴です。BtoCの宅配がメインとなるため一件あたりの商品数は少ないものの、配送先の数は多くなる傾向にあります。
EC物流の基本的な業務
入庫、検品
入庫は物流センターや物流倉庫に入荷した商品を倉庫内に移動し、在庫を計上する作業のこと。ECサイトは販売する商品の種類が多いため、物流管理システムや倉庫管理システム(WMS)を導入して効率化を図るのが一般的です。検品は入庫伝票を確認し、届いた商品に間違いがないかチェックする作業を指します。具体的には、荷物の数量確認や商材の動作確認などを行います。
棚入れ、保管
棚入れ、保管作業では検品完了後、商品ごとに所定の棚に移し、出荷までの管理を行います。大型の商品を移動する際はフォークリフトを使用したり、管理をスムーズに行うためにバーコードを活用したりします。
ピッキング
ピッキングは、注文情報をもとに倉庫内の棚から商品を取り出す作業です。ネット通販では注文から配送までのスピードが重要視される傾向にあり、ピッキング作業のオペレーション改善や作業効率の向上を目的に、ピッキングシステムやロボットの導入も進んでいます。
流通加工
流通加工では顧客の要望に応じて商品を加工します。具体的には値札付けやラベル貼り、袋詰めなどの作業が該当します。商品の付加価値を高めるために行われるのが一般的です。
梱包、出庫
一連の作業を終えたら最後に梱包と出荷作業を行い、商品を顧客のもとへ発送します。梱包作業では、要望があればギフトラッピングやメッセージカードの封入などの加工を行います。またショップのロゴが入ったダンボールやガムテープなど、梱包資材に力を入れている企業も少なくありません。
返品対応
EC物流では、商品を配送業者に引き渡した後も顧客からの返品対応やクレーム対応に追われることがあります。対応が不十分だとブランドイメージや顧客満足度の低下につながるため、マニュアルの整備や社員教育を進めることが大切です。
EC物流業務の主な課題

EC物流では少量・多品種・多頻度かつ即時対応を求められるケースが多く、さまざまなトラブルの種となっています。ここでは、ECの物流現場が抱える主な課題を解説します。
ヒューマンエラーの発生
在庫管理や受注管理、検品作業などの業務を、手書きやエクセルなどで管理している企業は少なくありません。商品数が増えると業務が煩雑化し、人為的なミスが発生するおそれがあります。具体的には、商品の二重登録や誤配送、入力ミス、チェック漏れ、データの改ざんなどが生じやすくなります。作業ミスが増えると、顧客満足度の低下や返品対応の増加などにつながるため対策が必要です。
人手不足
物流の現場は激務や重労働といったイメージが強く、慢性的な人手不足となっています。人手を増やすことで人的コストが増大するため、新たに人材を雇用できない企業も少なくありません。人手不足が続くと、販売機会の損失や売上の低下につながるおそれがあります。
物流コストの増大
物流コストの増大によって、売上は上がっているものの利益が増えていない事業者は少なくありません。EC物流のコストには、運送費や人件費、保管場所にかかる費用などが含まれます。物流コストの削減だけに目を向けるのではなく、生産性を高め、利益を最大化するための仕組み作りが必要です。
EC物流における課題の解決方法

ここでは、EC物流における課題の解決策をご提示します。成長を続けるEC市場でより充実したサービスを提供するためにも、自社の課題に合わせた施策を打ち出しましょう。
物流業務のアウトソーシングを検討する
アウトソーシングとは、自社で行う物流業務を物流会社など外部の専門業者に委託することを指します。EC市場の規模拡大とともに需要が高まっており、ECサイトにおける商品の受注処理から配送までを一括で請け負うフルフィルメントサービスも登場しています。
物流業務のアウトソーシングでは、物流コストを削減しやすいのが特徴です。主な理由としては、事業拡大時や繁忙期に新たな人材を雇用する必要がなくなる点や、輸送手段への投資が不要になる点が挙げられます。変動費となりやすい物流コストを固定費化でき、キャッシュフローの改善にも役立ちます。
また物流代行では知見が豊富な専門業者に委託できるため、配送品質の向上が期待できるのもメリットです。そのほかにも物流業務にかけていた時間や人員を別の業務に充てることでコア業務に注力しやすくなり、売上や利益率の向上が期待できます。
クラウド型物流システムを導入する
クラウド型物流システムとは、商品在庫などこれまで紙やエクセルで管理していた情報をインターネット上で管理できるサービスです。クラウドに情報を格納することでインターネットに接続されていれば外部からのアクセスも可能になり、荷主と倉庫側の情報共有もしやすくなります。また、倉庫が複数ある場合でもひとつのシステムで一元管理でき、物流業務の効率化に役立ちます。
業務の自動化・省人化を図る
労働力不足の改善や人件費の負担を抑えるには、業務の自動化や省人化が必要です。具体的には、物流ロボットやマテハン機器の導入、物流管理システムの運用などが考えられます。ただし機器やシステムの導入にはコストがかかるため、自社の課題に合わせて最適な形を選択することが重要です。
EC物流の課題を把握し、解決策を現場に取り入れよう

今回はEC物流における基本的な業務内容や、現場が抱える課題・解決策をお伝えしました。EC市場は成長を続ける一方でさまざまな課題も生じています。特にコストの増大や人手不足は、提供する商品やサービスの品質にも影響する問題です。速やかに解決策を講じ、最小限のコストで最大の利益を挙げられる仕組みを整えましょう。
配送コストの最適化や物流業務のアウトソーシングをご検討の際は、「ピックゴー」の物流ソリューションをご利用ください。貴社ビジネスに合わせた新しいモノの流れの構築をご提案いたします。

